セレンスは昨年、1,500名以上の米国の消費者を対象に、どのようにテクノロジーを使って車両の周囲の状況に対応しているかについてアンケート調査を実施した。「車載技術によって今後どのような運転体験の改善を期待しているか」と質問したところ、調査対象の約半数となる44%が、ストレスの多い運転状況において、より多くの支援を求めていると回答した。
さらに、セレンスのユーザー体験研究機関であるCerence DRIVE Labにおいて、ドライバーの求めるサイレン検知システムの用途や機能について調査を行ったところ、回答者の67%が、サイレンが検知されたらすぐに通知を受け、車内のすべてのオーディオの音量を下げて欲しいと思っていることがわかった。また調査参加者からは、クルマの内外で大音量の音楽がかかっている時、交通量の多い状況、および郊外や都市という環境において、サイレン検知システムが最も有効であるとの回答が得られた。さらに、サイレンの位置、緊急車両が向かっている方向、クルマと緊急車両との距離なども知りたいと考えていることもわかった。
Cerence EVDは、車両インテリアとして組み込まれている既存のマイクを使用するため、専用のハードウェアを追加することなく実装できる。緊急サイレン信号の固有で明瞭な音響構造を利用することにより、高い精度でサイレンと、その方向を検知する。これは、複数の国や地域の消防車、救急車、警察車両など様々な種類のサイレンに対応している。サイレン音が検知されると、ラジオなど車内で再生しているメディアの音量が下がり、車載インフォテインメントシステムを通じてドライバーに緊急車両の接近を通知する。もし再生中の音楽にサイレンの音が含まれていたとしても、音響エコーキャンセル機能によってマイクの入力信号から音楽の成分は削除されるため、車外から聞こえてくるサイレンを正しく検知してドライバーに即座に通知することができる。
Cerence EVDは、2020年以降、多くの車両に採用される予定。本デモはCES 2020のセレンスのブース(LVCC North Hall/ブース番号9305)において初公開される。