REPORT●山下博央(YAMASHITA Hirohisa)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)/株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
レーサーレプリカの時代から車名に「RR」と付くバイクは実は多い。HondaでもCBR250RRやCBR400RR、CBR600RR、そしてCBR1000RRなどなど。車名にRRと付く車名は多いのだ。では、その読み方は? 多くの人が「ダブルアール」と読んでいたのではないだろうか。かくいう筆者も「ダブルアール」と読んでいたし、思っていたのだが……。
鈴鹿サーキットで行われたRR-Rの発表会で、私が開発陣に
「今回のCBR1000トリプルアールですが……」と問うと、
開発者は
「確かに今回のアールアールアールはですね……」と答える。
一度でなく、何度もである。
これははっきりさせておきたい!ということで、CBR1000RR-Rの呼び方をズバリ聞いてみたところ、
ホンダとしての呼び方は「シービーアールセンアールアール・アール」という回答を得た。
正解を知ってスッキリしそうなところだけれど、大量のアール攻撃でお腹いっぱいな気分……というのはさておき、つまり、この例を踏襲すればCBR1000RRは「シービーアルセンアールアール」となるわけだ。現CBR1000RRのオーナーさんも、そしてCBR1000RR-Rに興味がある人も、ひいてはCBR250RRオーナーの方も! 豆知識としてぜひ覚えておいてください。
さて、Hondaはレーシングマシンの諸元をダイレクトに反映したモデルに“CBR”の名称を与えてきたが、CBR1000RR-Rは1992年に発売されたCBR900RRから始まる。CBR900RRは操る楽しみの最大化を意味する“Total Control”をテーマに掲げ、運動性能と動力性能の高度な調和を実現し、大排気量車でスポーティーな走りを楽しむ新たな価値を生み出し、現在につながるスーパースポーツというジャンルを切り開いた。このCBR900RRは排気量を929ccに拡大したCBR929RR、そして954ccに拡大したCBR954RRと発展していくが、2004年には排気量を1000ccへと拡大したCBR1000RRが登場し、ワールドスーパーバイクや全日本ロードレース、そして鈴鹿8時間耐久レースなど、世界中のプロダクションレースで活躍する。なお、“Fire Blade”は輸出モデル用のペットネームとなる。
そして登場したCBR1000RR-Rは従来のコンセプト“Total Control”を継承しつつも、よりサーキットでの性能を追求し“Total Control”for The Trackを新たなコンセプトとして開発されたモデルとなる。CBR1000RR-Rも世界中のプロダクションレースで活躍することだろう。CBRシリーズの新たな活躍に注目したい。