今回、宮古島内の市営住宅40か所に余剰電力を監視するためのゲートウェイ装置を設置し、東芝グループが保有するバーチャル・パワープラント(VPP)システムにより、各拠点のPVの余剰電力量や蓄電池の充放電可能量に基づき蓄電池の充放電を分単位で制御する。蓄電池の充放電の過程において発生する電力損失の影響および、現行の計画値同時同量制度*を加味した30分以内の細やかな制御の実現性を検証する。
(* 発電事業者や小売電気事業者などが30分単位で発電計画と発電実績、需要計画と需要実績を一致させるように調整をおこなう制度)
宮古島市は、 2008年に宣言した「エコアイランド宮古島宣言」のビジョンを明確化するために2019年に「エコアイランド宮古島宣言2.0」を発表した。そのなかでPVや風力発電システムなどの再生可能エネルギーの積極的な導入により、市内におけるエネルギー自給率を2016年の2.9%から2050年に48.9%まで高めることを掲げている。しかし、再生可能エネルギーは天候に左右されるため、その普及には蓄電池などの調整力が必要。一方で蓄電池は導入費用が高く、普及が進んでいない状況となっている。
本検証により蓄電池シェアリングの有効性を確認することで、公共施設などに設置したBCP用途の蓄電池を平常時にも複数用途で活用できるようになる。蓄電池の導入促進により、今後さらなる再生可能エネルギーの導入が可能になり、電力供給の安定化への貢献やエネルギー自給率の向上が期待される。
検証の概要
1.検証期間
2020年1月6日~2020年1月31日
2.役割
宮古島市:島全体のエネルギー事業率向上に向けた実施主体
株式会社ネクステムズ:複数拠点に設置されたPVの余剰電力量の収集
東芝グループ:バーチャル・パワープラント(VPP)システムの構築及び本検証の運用支援