全閉式永久磁石同期モータ(PMSM)および全閉式永久磁石同期発電機(PMSG)は共に定格効率97%を実現する高効率な回転機で、エンジン出力を車輪に伝える効率は、モータおよび発電機に開放型の誘導機を使用した従来型のシステムと比較して10%以上向上している。今回、小型で高出力なPMSGを新たに開発したことにより日本で初めて同時に採用することが可能となった。また、モータ・発電機共に、全閉構造により低騒音化と内部清掃を不要としてメンテナンスの簡素化を実現している。
バッテリには東芝インフラシステムズ製リチウムイオン二次電池「SCiB」が採用された。ブレーキ時に発生する回生電力を充電し、駅停車時のアイドリングストップおよび加速時にこの電力を使うことで、エネルギーを効率的に使用し燃費を従来比15%向上させ、高い環境性能の実現に貢献する。
車両制御装置は車両の駆動用回路に加え、バッテリ充放電用および車両の補助電源用回路を一体化したコンパクトなパワーユニットを開発するとともに、従来の空冷方式に比べて装置外側の冷却フィンの設置が不要な水冷方式をパワーユニットとバッテリの両方に採用することで、小型・軽量化を実現した。小型化により車両制御装置内にバッテリを収納できたことで、すべての駆動システムを車両の床下に搭載することが可能となった。
主幹制御器は従来に比べ耐久性の高い主幹制御器を開発した。