個人的にマツダのラインアップではアテンザ(いまはマツダ6か)が好みで、「個人的に欲しい」というくくりが現行車まで広がるならマツダ6は間違いなく選択の範囲に含まれる。他方、アクセラには全然惹かれなかった。伸びやかなアテンザを先に見てしまったので、どうしても腰高で寸足らずに見えてしまったのかもしれない。
ところが、マツダ3が現れた。伸びやかなんてもんじゃない格好で。
そのように感じた理由はふたつ。前輪がFF車なのに異様に前にあることと、大丈夫なのかコレと不安になるほどに大きく覆ったなめらかなCピラー。これらが、ネコが獲物に飛びかかる前のうずくまり姿勢みたいに見せるのだ。初めて見た実車がグレーボディに黒ホイールで一体感があったのも後押しした。鳴り物入りで登場したのだが、それほど売れていないと聞く。後席が狭いのが一因らしい。なるほど。
どれが欲しいかというと、グレーのハッチバックの黒いホイール。一目見て心奪われた組み合わせである。SKYACTIV-Xの搭載がこのところのニュースだが、個人的にはまったく興味がない。メカニカルなところをあえて選ぶならG2.0+6速ATのFWD。先代(アクセラ)のこの組み合わせで心底感動した覚えがあるから。
理由:かっこいいから。
ラングラーは正直、それほど好みの格好ではない。同じグループ(クロカンAWD車)で考えると圧倒的にディフェンダーが好きで、それ以外はとくに……というところだった。ところがあるとき、先代ラングラーのグレー(またかよ)が走ってきて一目惚れ。さらに新型のJL型に試乗して、とくに6気筒版に心を奪われた。その試乗の際にボディ後半部の樹脂パネルを取り外し荷台っぽくして乗ったのがさらによかった。なんか乗用車ではない特別な気分を東京のど真ん中で味わえたのだ。
買うならこの4枚ドア仕様だな、ディフェンダーはショートが格好いいけどラングラーはロングがいいな——なんて思っていたらこのクルマ:グラディエーターが登場した。4枚ドア+荷台である。70ランドクルーザーも荷台つきのが好きだった。アレも乗用なのにトラック的で、さらに「いったいどうやって取り回すんだ」という長さにしびれた。
仕事柄、日産のグローバル本社@横浜に行くことが少なくなく、その際に1階のホールには立ち寄るようにしている。時折おもしろいものが展示されているから。あるとき、期待どおりの珍しいクルマが飾られていた。スカイライン……のようだけど違う、クーペだこれ。
インフィニティQ60と称するそのクルマはもちろん日本では未発売である。ところが(編集長ゴメン)ベストカーウェブさんの記事を眺めていたら、このクルマの並行輸入販売が始まったとニュースにあるではないか。欲しい。
現行スカイラインはそれほど好みではなく、だけどQ60となると話は別。2枚ドアのクルマを横から眺めると、とくに最近のクルマだとウエストラインまでが厚ぼったくで逆にグラスエリアが異様に薄く、なんかボテっとした印象が多い中で、このQ60はなんとバランスの取れていることか。ホイールベースが短い!と見えるデザインも交換。Cピラーエンドのサッシュデザインはちょっとやりすぎかなとも思うが、嫌味ではないのでいいかも。
リヤクオータービューで、なだらかに落ちるテール、アクセントのスポイラー、そっけないようで存在感のあるテールランプクラスタ(透明じゃないところもナイス)、非常に好みである。