今年1月のデトロイトモーターショーで世界初公開された、キャデラックのまったく新しいミドルラージSUV「XT6」が早くも日本上陸。2020年1月1日からの販売開始に先駆け、その実車が都内で披露された!




REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)


PHOTO●遠藤正賢/ゼネラルモーターズジャパン

キャデラックXT5プラチナムスポーツ
キャデラック・エスカレードプラチナム


「XT6」は、アメリカンドリームを象徴するVIP御用達のフルサイズSUV「エスカレード」と、「SRX」を前身とするミッドサイズクロスオーバーSUV「XT5」の中間に位置する、3列6人乗りのミドルラージSUV。エスカレードの力強さとXT5の流麗さを兼ね備えたエクステリアは、3列目まで高い居住性を持つことが見て取れるプロポーションとなっている。

XT5、XT6、エスカレードのボディサイズ比較

 実際に3車のボディサイズを比較してみても、上表の通りホイールベースこそ、プラットフォームを共有するXT5とXT6は同一ながら、全長×全幅×全高は見事にXT5<XT6<エスカレードの順に大きいサイズだ。

キャデラックXT6の運転席まわり

セミアニリン本革を用いたフロントシート
2列目はキャプテンシートで3列目へのアクセスも容易


3列目も居住空間、シートサイズとも必要充分
3列目を格納すれば1220Lのフラットな荷室が得られる


 そして車内に乗り込むと、キャデラックらしいシャープなラインで構成されたモダンかつ上質なインパネとセミアニリン本革シート、スウェードのルーフライニングが出迎えてくれる。シートに腰を下ろすと各列とも充分に広くゆったりとしたシートサイズで、14個のスピーカーで構成されるキャデラック初のBOSEパフォーマンスシリーズサウンドシステムでお気に入りの音楽を再生すれば、極上の移動空間となることは請け合いだ。

XT5と共通の3L型3.6L V6自然吸気エンジンは314psと368Nmを発生
XT6の「インテリジェントAWD」。サスペンションはフロントがストラット式、リヤがマルチリンク


 日本仕様のパワートレインは1種類で、314psと368Nmを発する3.6L V6自然吸気エンジンに9速AT、「インテリジェントAWD」の組み合わせ。グレードもカタログモデルは「プラチナム」(870万円)のみとなっている。

30台限定の「ナイトクルーズエディション」

 だが、専用ボディカラー「サテンスティールメタリック」に内装色「ジェットブラック/ブロンズカーボン」、熱感応式赤外線センサーによる夜間歩行者・動物認識機能「ナイトビジョン」を備えた30台限定車「ナイトクルーズエディション」(910万円)を設定した。

予防安全装備のシステム構成および実装機能図

 予防安全装備も充実しており、エマージェンシーブレーキシステム、レーンキープアシスト、アダプティブクルーズコントロール、オートマチックパーキングアシスト、HDサラウンドビジョン、インテリジェントマトリックスLEDヘッドランプ、リアカメラミラー、カラー表示ヘッドアップディスプレイを標準装備。また前述の通り、「ナイトクルーズエディション」には「ナイトビジョン」もプラスしている。

(手前より)キャデラックXT5プラチナムスポーツ、XT6、エスカレードプラチナム

 なお、フェイスリフトとともに快適性重視の「プレミアム」とスポーティな「プラチナムスポーツ」の2グレード構成とし、装備の充実を図った「XT5」と、フロントヘッドレスト内蔵デュアルディスプレーを廃止して価格を抑えた「エスカレード」も同時に発表されている。

キャデラックXT6とゼネラルモーターズ・ジャパンの若松格社長

キャデラックXT4

 ゼネラルモーターズ・ジャパンの若松格社長は記者団の質問に対し、2020年内にコンパクトSUV「XT4」を日本に導入することを明言。新型シボレー・コルベットで右ハンドル車の生産と日本導入が発表されたことから、キャデラックにも右ハンドル車の生産・導入が望まれているという意見に対しては、現在検討中であり、2020年内のニューモデル導入時に何かしらの発表を行うことを示唆している。今後日本市場に適したモデルが拡充されることで、キャデラックが輸入車全盛期の輝きを取り戻す可能性は高い。

【Specifications】


<キャデラックXT6プラチナム(F-AWD・9速AT)>


全長×全幅×全高:5060×1960×1775mm ホイールベース:2860mm 車両重量:2110kg エンジン形式:V型6気筒DOHC直噴 排気量:3649cc ボア×ストローク:95.0×85.8mm  最高出力:231kW(314ps)/6700rpm 最大トルク:368Nm(37.5kgm)/5000rpm 車両価格:870万円
キャデラックXT6プラチナム

情報提供元: MotorFan
記事名:「 「XT5」と「エスカレード」の中間に位置付けられるブランニューSUV登場!