REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●4ミニ.net https://4-mini.net
撮影協力●ホンダコレクションホール
マレーシアでのホンダの歴史は長く、1958年(昭和33年)、現地の「文秀ホンダ」がホンダ製バイクを輸入開始。1969年(昭和44年)からは、技術提供によって「スーパーカブC65」の生産を開始した。
写真は1970年(昭和45年)に登場した、スーパーカブC65の後継モデルである「スーパーカブC70」。このモデルはマレーシア国内でロングセラーを続け、1996年(平成8年)までの26年間で、100万台が生産された。
●スーパーカブC70
エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC72cc
最高出力:6.2ps/9000rpm
最大トルク:0.53kgm/7000rpm
自動遠心式クラッチ3段リターン
重量:75kg
通称“ハンターカブ”と呼ばれるCT110。国内では1983年(昭和58年)、アメリカでは1986年(昭和61年)に発売が終了したが、オーストラリアでは、2012年(平成24年)まで生産されるという超人気のロングセラーモデルとなった。
オーストラリアの郵便局では、「CT110」に大型バッグを装備するなど、長年配達用バイクとして採用されていた。パワフルな105ccエンジン、5.5リットルの大型フューエルタンク、大型リアキャリアなどの装備は国内仕様と同じ。また、国内仕様と同様、副変速機は省かれているのが特徴。
CT110生産終了後の2012年(平成24年)以降、オーストラリアでの郵便配達用バイクはCT110に変わり、新型のスーパーカブに変更されている。
●CT110
エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC105.1cc
最高出力:7.2ps/7500rpm
最大トルク:0.75kgm/8000rpm
自動遠心式クラッチ4段リターン
重量:91.1kg
最高速度:85km/h
インドネシアでは、1972年(昭和47年)から「C70/C90」の生産を開始。大きな特徴は、インドネシアの「アストラ社」との合弁事業を反映したネーミングが与えられたこと。1988年(昭和63年)以降は、「C90系アストリアスター」や、「C100EX系アストリア」が加わった。
「C100EX系アストリア」の特徴は、角張ったデザインに加え、メインカラーに黒を採用したこと。インドネシアでは、黒色には“力強い(インドネシア語でGAGA)”という良いイメージがあり、「C100EX系アストリア」はパワフルなエンジンや快適な乗り心地で大ヒットとなった。
●ブラックアストリアEX
エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC97cc
最高出力:7.5DK/8000rpm(JIS)
自動遠心式クラッチ4段リターン
重量:91.1kg
高い品質と信頼性はそのままに、よりリーズナブルになったファッショナブルなモデル。部品のグローバル調達ネットワークによって、コストを大幅に削減。圧倒的な価格競争力を実現し、コピー製品に対抗した。
●WAVE α(ウエーブ・アルファ)
エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC97.1cc
最高出力:7.1ps/8000rpm
最大トルク:0.7kgm/6000rpm
自動遠心式クラッチ4段リターン
重量:96kg
ベトナムでのスーパーカブの絶対的人気に対し、中国からのイミテーションモデルの大量投入が開始。写真のモデルは、低燃費と高い動力性能を確保した、WAVE α(ウエーブ・アルファ)の対抗馬「Haojue HJ110」。
空冷4ストローク単気筒OHC107ccの5.5kW(7.5ps)エンジン搭載。前後17インチの大径ホイールは、スポーティーなキャスト型を採用。大型のタンデムステップやフロントキャリアなど、実用性を重視しているのがポイント。
●Haojue HJ110
エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC107cc
最高出力:5.5kW(7.5ps)/8000rpm
重量:98kg