では、なぜトヨタのクルマはCを頭文字に持つことが多いのか? これについては、「クラウンが売れ、コロナも売れたから、ゲンを担いで車名の頭にCをつけるようになった」という説が有力ではあるが、実際のところはよくわかっていない。
何度かトヨタの人(広報担当者や開発者など)、販売店の人とこの話題になったことがあるが、明快な答えが返ってきたためしがない。
まぁ、こういうのは少々謎めいていた方が面白い、という見方もある。トヨタのほかにも、たとえばロータスはほぼすべての車種が「E」で始まるネーミングを持つが(セブンは例外のように思えるかも知れないが、あれはロータス伝統のタイプナンバーをそのまま車名にしたもので、それはそれで伝統に則っているのだ)、これも本当の理由は明らかにされていない。
Cで始まるトヨタ車や、Eで始まるロータス車について、思いつくまま挙げてみたり、その理由を自分なり考えたり、それを酒でも酌み交わしながら論じたりするのも粋ではないか。
そんなことを考えていたら、とりあえず思い出せるだけ思い出してみたくなったので、ここに列記してみよう。
CENTURY(センチュリー)
CELSIOR(セルシオ)
CROWN(クラウン)
COMFORT(コンフォート)
CLASSIC(クラシック)
CHASER(チェイサー)
CRESTA(クレスタ)
CRESSIDA(クレシーダ)
CAMRY(カムリ)
CELICA(セリカ)
CORONA(コロナ)
CARINA(カリーナ)
CALDINA(カルディナ)
CURREN(カレン)
COROLLA(カローラ)
C-HR
CARIB(カリブ)※正式名はスプリンター・カリブ
CORSA(コルサ)
CYNOS(サイノス)
CAMI(キャミ)
COASTER(コースター)
以上、21種類だった。コロナ・マークⅡとか、クラウン・マジェスタとか、ほかの単語と組み合わされて別のモデルになる場合もあるので、車種の数はもっと多くなると思われる。
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ちなみに「C」のほかには、「S」で始まる車名も実は少なくない。スープラ、ソアラ、スプリンター、スターレットなど、比較的スポーティな車種はSを頭文字とするネーミングが与えられるケースが多いように思える。これについては、また次の機会に取り上げてみたい。
しかし最近は、残念ながらこの法則が当てはまる車種が減り、とくに21世紀に入ってから(モデルチェンジではなく)新規に登場したモデルでCを頭文字とするネーミングを与えられたのはC-HRくらいしか思い当たらない。
アルファード、プリウス、ヤリス、RAV4……など、Cを頭文字に持たない主力モデルも多い。
ただ、ここへきてセンチュリーやカローラといった伝統的モデルが意欲的なフルモデルチェンジを受け、その存在感を再び強烈に放っているのも事実だ。古くからのクルマ好きにとっては、「C」で始まる車名を持つモデルこそ、トヨタが本気でつくっているクルマのような気がするのだが……まぁ気のせいでしょうね。