PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
2020年2月中旬発売予定のヴィッツ改め新型四代目トヨタ・ヤリスが一般公開されたのは、青海展示棟Bホールのトヨタブースではなくその向かい、今回「FUTURE EXPO」が展開されたトヨタの巨大ショールーム・メガウェブの隣にあるショッピングモール、ヴィーナスフォート。
新開発色にしてイメージカラーのコーラルクリスタルシャイン&ブラック2トーンのボディをまとった1.5L「ハイブリッドG」(中間グレード)FF車と、シアンメタリック&ブラック2トーンの1.5L「ハイブリッドZ」(上級グレード)4WD車の2台が、古いヨーロッパの城下町をイメージした屋内に展示されていた。
残念ながら車内に乗り込むことはできなかったものの、それが故に来場者の注目はエクステリアに集まることに。場所柄平日でも若いカップルが多く見られたが、女性からも「これ、格好いい!」と叫ぶ黄色い声が聞かれ、質感が大幅にアップし精悍さも増したエクステリアが男女ともに“刺さる”デザインに進化したことを裏付けていた。
なお、両車の下回りを後ろから覗いてみると、FF車はトーションビーム式、4WD車は2リンクダブルウィッシュボーン式のサスペンションとE-Four(電気式4WDシステム)が装着されているのを確認できた。
発売時期が同じ2020年2月ということもあり、新型ヤリスにとって最大のライバルになるであろう新型四代目ホンダ・フィットも、一般来場者の注目の的となったモデルだ。
有明の西展示棟1ホールにブースを構えたホンダは、一般公開日になると「ベーシック」「ホーム」「ネス」「クロスター」「リュクス」の5タイプすべてを平置きし、車内にも乗り込める状態で展示。
シンプルかつ上質で機能的なものに生まれ変わった内外装はもちろん、初代より踏襲されているセンタータンクレイアウトと「ULTR(ウルトラシート)」がもたらす広大な室内空間やシートアレンジも、より一層進化しているのを確認できた。
その中でも多くの来場者が一様に驚きの声を上げていたのは、やはり後席の広さだろう。身長176cm・座高90cmの筆者が座るとヘッドクリアランスに余裕はないものの、ニークリアランスは25cm以上あり、シート自体のサイズやクッションの厚み・フィット感も充分以上。ワンタッチで後席全体をダイブダウンまたは座面をチップアップできる「ULTR(ウルトラシート)」も健在だった。
ホンダと同じく有明の西展示棟1ホールにブースを構え、オフロード色を強めたドレスアップモデル以外は乗り込み可能な状態で平置きされていた、スズキの「ハスラーコンセプト」も、「これは売れる!」という声が方々で聞かれたモデルだ。
現行モデルのレトロモダンな背高軽ワゴンとSUVをクロスオーバーしたテイストを色濃く残しながらも、SUVらしさを強調したマッシブかつ機能的な内外装は男性にも大好評。
後席はヘッドクリアランスがさらに拡大されており、スライド位置を問わず筆者でも15cmほどの余裕がある。
ラゲッジルームでは、脱着して丸洗いも可能な収納ボックスがフロア下に新設されたのが大きなトピック。汚れたシューズやウェアをそのまま放り込めるほか、背の高い観葉植物なども積みやすくなった。
説明員は「市販化できるよう頑張って準備を進めている」と強弁していたものの、これが新型二代目ハスラーそのものであり、年内にも正式発表されることは最早公然の秘密。ハスラーコンセプトを見て「これは欲しい!」と感嘆していた来場者も、市販化を確信している様子だった。
そしてもう一台の「これは売れる!」と一般来場者が太鼓判を押したクルマは、「新型コンパクトSUV」として密かに参考出品され、モーターショー閉幕直後の11月5日に正式発表されたダイハツ・ロッキー。こちらについては下記の記事で詳細をレポートしているのでご参照いただきたい。
ダイハツ「ロッキー」復活か? 大注目の「新型コンパクトSUV」に座ってみたら……小さいのに驚きの広さ!【東京モーターショー2019】魅力的な内外装と高い実用性を兼ね備えた、市販前提のコンパクトカーに一般来場者の注目が集まった、今回の東京モーターショー。これらのモデルが公道を走った時の実力は果たしてどうなのか? 閉幕した後もしばらくは目が離せそうにない。