REPORT●浜先秀彰(HAMASAKI Hideaki) PHOTO●澤田和久(SAWADA Kazuhisa)
ブリヂストンが開発した新素材「SUSYM(サシム)」を利用したコンセプトタイヤを展示。
SUSYMはゴムと樹脂を分子レベルで結びつけたという世界初のポリマー。ゴムのしなやかさと樹脂の強さを併せ持っており、穴が空きにくい(耐突き刺し性)、治る(再生・修復性)、低温でも強い(低温耐衝撃性)といった特徴も備えている。
驚くべきことに釘で刺しても伸びるだけで穴が開かず、切断をしても熱を加えると接着ができる。また、変形しても形状記憶により元の形に戻るという。低温でしなやかさを失うこともない。まさにタイヤの素材としては理想的だ。
SUSYMは場所によって強度も自由に変えられるとのことで、展示されていたコンセプトタイヤはホイールとタイヤが一体化した竹細工のような形状。デザインの自由度も高いようだ。
SUSYM製タイヤの実用化は2020年代中を目標にしているというが、タイヤ以外のSUSYM製品であればそれよりも前に実用化されるかもしれない。