こちらはLIBの性能を左右する負極に何か新技術が盛り込まれたから、なんて想像をしていたので拍子抜けしたが、よくよく考えてみるとここはトヨタ紡織ブース、超微細繊維の生成を何より得意とする会社である。
LIBの充放電の仕組みはほかに譲るが、正負極間でイオンの授受がスムースになされれば電池としての性能向上が見込める。「これまでのセパレータは繊維径が大きすぎたんです」という説明からもわかるように、イオンが通りたいけど柱(大径繊維)に阻まれて通れないという状況から、細い繊維径でスルスル移動できるようになれば、LIBも持てる力を存分に発揮できるというわけだ。化学の力に頼っていると思っていたLIBの世界に、微細加工技術で貢献するところが非常にユニークであり、心強い。
トヨタ紡織としては、出力密度に優れる性状を存分に活かし、高出力を誇る300kW級のハイブリッド車への適用を企画しているという。小さくて軽くて強いLIBが日本から登場する日を心から楽しみに待ちたい。