PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
「ホンダ ADV(エーディーヴイ)150」は、大型アドベンチャーモデル「X-ADV(745cc)」が持つ攻撃的スタイルを、150ccのカテゴリーに落とし込んだ新型スクーター。アクティブな外観に加え、郊外の荒れた路面まで対応する、タフな足周りがポイントだ。
ベースモデルは人気の「ホンダ PCX150」。だが、ホイールはフロント14インチ、リヤ13インチの異径タイプを採用したり、前後サスペンションのストロークもPCXよりも多くとったりと、そのキャラクターはガラリと異なる。タイヤのサイズは、フロントがPCX150と同寸の110/80-14だが、リヤはPCX150よりも1サイズ太い130/70-13(PCX150は120/70-14)を選択。悪路での走行を想定した、オフロード対応のトレッドパターンというのが、このADVの大きな特徴でもある。
前後ブレーキは抜群の制動力を誇るディスク式。フロントブレーキはφ240mmのウェーブ型ディスクローターに片押し2ピストンキャリパー、リヤブレーキはφ220mmのウェーブ型ディスクローターに片押し1ピストンキャリパーを組み合わせ。
ツイン式のリヤショックは、リザーバータンク付きのショーワ製。PCX150よりも明らかに長い、車高を稼いだリヤショック長に加え、最低地上高をPCX150よりも約30㎜増やす(PCX150は137mm。ADV150は165mm)など、悪路での走破性をアップしているのがポイントだ。
ヘビーなフォルムとは裏腹に、車体は軽量かつコンパクト。シート下には、容量28Lのトランクスペースを装備。フロントスクリーンは走行シーンに合わせ、2段階の高さ調整が可能。また、スマートキーシステムの採用で、日常での使い勝手や快適性をアップしているのも嬉しいところだ。
身長173cmの筆者が、実際にまたがってみると……。シート高はPCX150(764mm)よりもやや高い795㎜だが、形状を吟味したスリムなシート形状のおかげで、数値で想像するよりも足着き性は良好。ハンドルクランプで固定されたバーハンドルは、適度な高さに設定され、余裕のあるやや幅広なイメージ。
ポジションはリラックスできる自然なもので、臀部にフィットするシート形状や素材と相まって、長距離走行もこなせそう。タンデムシートはやや小ぶりなつくり。左右にはタンデムグリップが装備されており、街乗り程度なら無理なくこなせるはず。
国内では、原付2種にカテゴライズされる125ccクラスが定番だが、インドネシアなどの東南アジアでは、150ccクラスが人気。特にPCX150の人気は凄まじく、 ADV150も同様にブレイクしそうな予感。
なお、日本での発売はそれほど遠くない、と関係者談。価格は未定となっている。
●ADV150の主要スペック( インドネシア仕様)
・全長×全幅×全高:1950mm×763mm×1153mm
・ホイールベース:1324mm
・シート高:795mm
・車両重量:132kg(ABSは133㎏)
・エンジン形式:水冷4ストOHC2バルブ単気筒
・総排気量:149.3㏄
・ボア×ストローク:57.3mm×57.9mm
・圧縮比:10.8
・最高出力:14.5PS/8500rpm
・最大トルク:1.4㎏-m/6500rpm
・燃料供給方式:PGM-FI
・燃料タンク容量:8L
・変速機形式:Vマチック無段変速
・ブレーキ形式: 前Φ240mmディスクローター 後Φ220mmディスクローター
・タイヤサイズ: 前110/80-14 後130/70-13
●PCX150の主要スペック( 国内仕様)
・全長×全幅×全高:1925mm×745mm×1105mm
・ホイールベース:1315mm
・シート高:764mm
・車両重量:131kg
・エンジン形式:水冷4ストOHC2バルブ単気筒
・総排気量:149.3㏄
・ボア×ストローク:57.3mm×57.9mm
・圧縮比:10.6
・最高出力:15.0PS/8500rpm
・最大トルク:1.4㎏-m/6500rpm
・燃料供給方式:PGM-FI
・燃料タンク容量:8L
・変速機形式:Vマチック無段変速
・ブレーキ形式: 前Φ220mmディスクローター 後ドラム式
・タイヤサイズ: 前110/80-14 後120/70-14