2位のアウディR8は日本市場での売れ行きから考えれば欧州では健闘しているといえるが、それでも488GTBはR8の1.5倍も売れており、大きな差を付けられているといえる。
3位もフェラーリでポルトフィーノ。そもそもフェラーリは年間の生産台数を調整しているので、本当にほしい人はもっとたくさんいるはず。それでもこのジャンルで圧倒的な強さを示しているのだ。4位はランボルギーニ・ウラカン。今年マイナーチェンジモデルのウラカンEVOが登場したが、毎月の販売台数が特に変化していないことからもわかるように、こちらも年間生産台数が制限されている中で堅調と言っていいだろう。
以下フェラーリとランボルギーニのフラッグシップスポーツカーといえる812スーパーファストとアヴェンタドールは似たような数字で拮抗している。
次に10年前に熱かった2000万円以下のスポーツカーセグメントだ。ここはかつて、いくつかの自動車メーカーが打倒ポルシェ911を目指してスポーツカーを投入したものの、やはり911の盤石の強さに敵わなかった。
それ故、他メーカーは高級路線、あるいは異なるジャンルにシフトしていった(ようにみえる)。ともかく今回調べたスポーツカーの中でもっとも販売台数が多いのがこの911である。この高級車が平均して毎月1000台以上売っているのは驚異的である。しかも、今年は新型となるタイプ992が登場したこともあり、昨年は先代となるタイプ991は末期モデルであったにもかかわらず、その売れ行きは驚くほど高いレベルを維持していた。
メルセデスAMGやジャガーの2000万円以下のスポーツカーは年間3000〜4000台と販売不振とは言えないが、911と比較すると負けていると言わざるを得ない。
4シーターラグジュアリースポーツカーは今後新たな人気セグメントとなるかもしれない。ここはベントレー復活の起爆剤となったコンチネンタルGTが圧倒的な強さを示している。昨年フルモデルチェンジしてプラットフォームを一新し、スポーツカーとしての性能をさらに向上させたことも一因あるだろう。
2位には同じくイギリスのアストンマーティンDB11が入った。アストンマーティンは年内にSUVのDBXを投入予定で、そこで得た収益をさらに充実したラインナップにつなげていくだろう。
最後に1000万円以下のスポーツカーだが、ここはほぼダブルスコアでマツダMX-5(ロードスター)が支配している。2位はポルシェ718(ボクスター、ケイマン)だが、エントリーモデルが上位スポーツカーの911よりも売れていないことがポルシェの今後の課題であろう。
MX-5はこのリストの中では圧倒的にリーズナブルであり、スポーツカーを買うなら高額な911か、あるいは安価なMX-5かという市場動向が理解できる。3位はSLCだがデータにはないがトヨタスープラやそのオープンモデルであるBMW Z4の数字がないので、そこはデータが漏れているだけであろう。結論は911の驚異的な販売台数が印象に残ったデータであった。