REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
昭和44年生まれの筆者が生まれて初めてパソコンに触れたのは、1998年(平成10年)のこと。当時モトチャンプ編集部に在籍していたが、それまではワープロ(富士通のオアシス)を使用して原稿を書いていた。
当然、メールなんて便利なものはないから、完成した原稿データをフロッピーディスクに移し、雨が降っても風が吹いても、ポジフィルム(写真)と一緒に、バイクに乗ってデザイナーさんや写植屋さんの元へ直接持参していた。
そして1998年(平成10年)、愛機はワープロから中古の白いマッキントッシュコンピューター(当時はまだマックとは呼ばなかった)に移行。2000年(平成12年)、そのマッキントッシュコンピューターの画面に、突如、爆弾マークが出現し、10数秒後、電動ファン付近から白い煙を吹いてご臨終。新しくやって来たのが、グリーンの「iMac G3 DV(DVDが再生できる最先端モデル)」だった。
1998年当時のパソコン(特にウインドウズ系)は、どれもこれも、薄いグレーのくら~い事務的で地味なカラーがメイン。しかし「iMac G3」は、地味パソコンとは180度趣きの異なる、雑誌や資料が散乱し、3日ほど家に帰っていない野郎どもがウロウロする編集部内には似つかわしくない、カラフルでオシャレで華やかな外観が印象的だった。
スケルトンの「iMac G3」は、発売時の1998年以降、爆発的にヒット。その理由は、オシャレで親しみやすい外観に加え、
・「マッキントッシュコンピューター」と呼ばれていた頃に比べ、価格が大幅に下がったこと(新品でも15万円程度)
・2002年(平成14年)、現ソフトバンク会長兼社長・孫正義氏の奮闘により、高速なADSL回線が普及し、インターネットが身近になったこと
などが挙げられる。「iMac G3」の人気がきっかけとなったスケルトンブームは、バイクの外装にも波及。その結果、ホンダから下記のユニークなモデルが誕生した。
当時人気のスケルトン素材を採用した、限定5000台発売の「ライブDio-ZX スケルトン」。
「ライブDio-ZX スケルトン」は、1999年(平成11年)の第33回東京モーターショーに参考出品され、好評を得たモデル。
ハンドルカバー、フロントカバー、リヤスポイラーに半透明のスケルトン素材を採用。ホイールはゴールドとし、スポーティさをより強調するとともに、軽快感を演出しているのがポイントだ。
カラーは爽やかなサイバークリアブルーと、愛らしいサイバークリアレッドの2色が設定されていた。
ハンドルカバーやフロントカバーは、目を凝らさなくてもフレームや配線、カプラー、ホーンなどが見えるのが特徴。当時の価格は18万4000円(税別)。
1998年(平成10年)にジョルノ、ジョーカーに次ぐファッションスクーターの第3弾として発売し、若者を中心に人気を獲得した「ジュリオ」。写真はスケルトンブーム真っ只中の2000年(平成12年)、3000台限定で発売された「ジュリオ スケルトン」。
「ジュリオ スケルトン」は、1999年(平成11年)の第33回東京モーターショーに参考出品し、好評を得たモデル。
フロントフェンダー部分とシート下部のボディカバーを、半透明のスケルトン仕様とし、ハンドルグリップとシート上面を、スケルトンカラーと同系色とすることで、スクーターの持つ軽快さとファッショナブルなイメージを鮮やかに演出している。
カラーは、クリーミーホワイトを主体に、爽やかなシュガークリアミントグリーンと、活動的なシュガークリアオレンジの2色を設定し、個性的なフォルムを強調している。当時の発売価格は17万4000円(税別)。
スクーター用外装パーツや電飾系アイテムを開発・発売していた「紫紋」が手掛けた、「ライブDio ZX スケルトン」のカスタム。
「ライブDio ZX スケルトン」のカバー内に、ブレーキのON/OFF“で点灯する『艶チィカネオン(廃版)』を配置。シースルーボディを活かした、ユニークなドレスアップが施されている。