CAFC規制値は現在、5ℓ/100km(日本式の表記では20km/ℓ)だ。自動車メーカーごとに「個別モデルごとの政府審査モード燃費×そのモデルの販売台数」をすべて合計し、総販売台数で割った「その自動車メーカーの販売平均燃費」、つまりCAFC値をこの5ℓ/100km以下に抑えなければならない。規制値を達成できない場合は、燃費の悪いモデルから順に製造販売許可が取り消される。この平均燃費規制と、各自動車メーカーおよび輸入元に一定比率のNEV販売を義務付けたNEV規制が行われている。つまり二重規制である。
中国政府としてはNEVを絶対に普及させたい。ねらいは原油輸入を減らすことだ。同時に、中国国内の2次電池メーカーが世界中にリチウムイオン電池や電動モーター、制御系などを世界じゅうに売る。年間3,000万台に迫る自動車消費大国になった中国にとって、自動車燃料のための原油輸入は国家の大きな負担になった。自動車産業の活力を維持したまま原油輸入を減らすには自動車の電動化がもっとも有効な手段である。世界規模で電動車のサプライチェーンを握り、大きな影響力を持つ。NEV普及によって増える電力需要は原子力発電でまかなう。これが中国政府が描く自動車強国の姿だろう。