この日はバイクの運転に不安を抱える12名の若者たちが参加して、安全で楽しいバイクライフを送るための各種レッスンを受講した。
昨年、国内二輪車業界には1つの大きなトピックが生まれた。それは二輪車ユーザーの高齢化が業界全体の課題とされる中で、20歳代の免許取得者数が増加に転じた事だ。
しかし、明るい兆しが見え始めた一方で、免許取得からわずか数年でバイクから離れてしまう若者も少なくなく、まだまだ手放しでは喜べない状況が続いている。その背景の一つと考えられるのが、「一人で道路を走るのは不安」、「一緒に走って教えてくれる人がいない」といった若いライダーたちの声。若年層の免許取得が増えた今だからこそ、長くバイクライフを楽しんでいただくための施策が求められている。
「具体的にどんなことに不安を感じているのか、それを把握したいと、まずは学生時代のバイク仲間や同期の社員に念入りにヒアリングしました」。そう話すのは、「平成生まれの若者限定レッスン」の企画・運営を担当するヤマハ発動機販売(株)の藤森若葉さん(安全普及推進本部)。藤森さん自身も平成生まれのライダーの一人。
そのヒアリングの回答から、若者ライダーの繊細な心の内側が見えてきた。安全への意識が高い反面、技術や経験を積み上げる機会がない。「ツーリングに誘ってもらっても、みんなの足を引っ張ってしまうのではないかという心配で出かけられない」と考えているのである。
「平成生まれ限定としたのには二つの意味があります」と藤森さん。「一つは、経験者に気兼ねすることなく自分のペースで学んでもらうため。そしてもう一つが、この機会に同世代のバイク仲間をつくってもらうためです」。その狙い通り、カフェ&トークタイムには、意気投合して連絡先を交換し合う参加者の姿も見られた。
「私たちの世代、特に女性は習い事が好き。もともと運転に不安を抱えている方も多く、定員を大きく超える応募がありました。レッスンの最後にはインストラクターの先導でプチツーリングも楽しんで、参加者の皆さんには自信もつけていただけたと思います」。
なお、次回の 平成生まれの若者限定レッスン&ツーリングは、9月28日(土)、千葉県野田市の清水公園で開かれる予定。申し込み締切は9月10日。
※YRA= Yamaha Riding Academy(ヤマハ・ライディング・アカデミー)
・実技準備(体操・車両説明・運転姿勢・引き起こし、等)
・実技レッスン(発進・停止・スラローム、等)
・ツーリング準備(ツーリング中の注意事項、等)
・プチツーリング ※インストラクターが先導
・カフェ&トークタイム