つまり、常にレーザー波を発していると思われる固定式や移動式と違い、いわゆるステルス性が高いと言われているだけに、いかにレーザー探知機といえども、警告された時にはすでに測定済みという可能性が否定されるものではなかった。レーザー波に反応するのは当たり前、肝心なのは自車の速度を測定される前にレーザー波をいかに手前で捉えるかと言うことだ。ステルス式取り締まりに対しては、捕まる覚悟でテストしなければ決してその有効性は証明できないのだ(よい子はマネをしないように)。
ところで、今回、取材班がレーザーパトカーに遭遇したのは、北海道の見通しの良い郊外を走行中。前方に移動オービスやレーザーパトの存在が認められないにもかかわらず、レーザー探知機(LS300)が突然、レーザー波受光の警報を発したため誤作動を疑ったのだが、その数秒後、前方の右コーナーから姿を現したのは、紛れもなく北海道警のレーザーパトだったのだ。確かに、パトカーの前方に走行車は見当たらず、追尾測定中であるとは考えられないため(対向車線を走る取材班のクルマの速度を測定することはパトカーの速度も加算されるため当然、不可能)、やや疑問は残るものの、周囲の状況から判断すれば、探知機が捉えたレーザー波はこのパトカーから発せられたものであることは間違いない。となれば、コーナーの先にいたパトカーの存在を事前に探知できたわけだから、この探知機の基本的な探知性能に関しては十分ということになる。
もちろん、前述のように、だからレーザーパトにも有効とは決して言えない。残念ながらレーザー式移動オービス、LSM-300だけではなく、レーザーパトカーが搭載するレーザー式車両速度計測装置、LSM-100が発するレーザー波に一定の距離をおいてきっちり反応することがわかったにすぎないからだ。できれば、その都度、狙い撃ちしていると言われている、取り締まり中のレーザーパトへの有効性が知りたいものだ。
だが、だからといって、がっかりしてはいけない。何にせよ、相手の素性を知ることは、決して無駄なことではない。そのステルス性も、実は噂にすぎないし、中には取り締まり中にレーザー波を出しっ放しにするケースもあるかもしれない。事実、取材班は待ち伏せしているレーダーパトを事前に察知し、事なきを得ている。いずれにせよ、最先端取り締まり機器とはいえ、所詮、人が作って人が操作するもの。その内、なんらかの打開策が見つかることに期待しましょう。