世界的な人気カテゴリーへと成長し続けるクロスオーバーSUV。いまやニッチ商品ではなく、多くの自動車メーカーの最重要案件となっている。ここでは三菱エクリプスクロスを主役に、強力なライバルたちとユーティリティやスペックを写真や数値で横比較してみたい。




REPORT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)(身長=173cm)




※本稿は2018年3月発売の「三菱エクリプスクロスのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

ECLIPSE CROSS G Plus Package

ボディサイズをライバル車と比較すると、ヴェゼルやC-HRよりは大きく、CX-5より小さいところが特徴。クーペのようなデザイン性と実用的なパッケージングが絶妙にバランスされている。

悪路走行時に車体の傾きがわかりやすい水平基調のダッシュボードを採用。三菱らしいこだわりが込められている一方、タッチパッドコントローラーやヘッドアップディスプレイなどの最新デバイスも多数採用し、所有欲を満たす先進感と実用性も備える。

リヤシート高:700㎜
フロントシート高:650〜710㎜


前席は大きなサイドサポートを備えるスポーティな形状を採用。一部には本革シートもオプション設定される。後席は足元のスペースが広い上、200㎜のロングスライドと9段階のリクライニングが備わり、アレンジ性も高い。

筒内噴射とポート噴射を併用した1.5ℓ直噴ターボエンジンを搭載。従来の2.4ℓガソリンエンジンを凌ぐ大トルクを発揮し、優れた加速フィールを実現。

グレードに応じて16インチと18インチのアルミホイールを設定。18インチには切削光輝加工を施している。

通常時:高さ730㎜ 奥行き760㎜

後席格納時:最小幅1000㎜ 最大奥行き1690㎜

後席を前方にスライドさせれば荷室の奥行きを200㎜拡大可能。その状態で9インチのゴルフバッグ4個を積載できる。6対4分割可倒機構や大容量の床下収納も備わり、とても実用的だ。

C-HR G-T

エクリプスクロスとの比較で際立つのは全高の低さ。空気抵抗を抑えて燃費を低減できる反面、室内高は低くなるため、流麗なデザインと後席や荷室の実用性はトレードオフとなる。

エクリプスクロスとは対照的に、曲線を用いた左右非対称のデザインを採用。全車に本革巻きステアリングホイールが標準装備され、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールも備わるなど、上質感や先進性ではC-HRも負けていない。

リヤシート高:560㎜
フロントシート高:570〜610㎜


着圧を適度に分散して座り心地のよさを追求した設計。写真の表皮は上級ファブリックとブラウンの本革を組み合わせたコンビ仕様だ。低重心設計のため頭上クリアランスは意外と広いが、後席膝前スペースはエクリプスクロスより狭い。

1.2ℓガソリンターボ車と1.8ℓハイブリッド車を設定する。ターボ車は直噴システムを採用し、1500rpmという低回転から最大トルクを発生させている。

17インチと18インチのアルミホイールを設定し、18インチは切削光輝+ブラック塗装仕様を採用。

通常時:高さ675㎜ 奥行き770㎜

後席格納時:最小幅950㎜ 最大奥行き1660㎜

通常時の奥行きは770㎜あるので、日常的な用途には十分な広さ。だが、エクリプスクロスと比べると天地高の低さは否めず、縦に荷物を積み上げていく使い方にはあまり向いていない。

CX-5 25S PROACTIVE

撮影車は18年2月に発表された商品改良前のモデルだが、外観に関する変更は特にない。四車の中ではボディサイズが最も大きく、最小回転半径は5.5mと、他車よりは若干大きい。

ひとクラス上であることを感じさせる上質なマテリアルとデザインを採用。18年2月の商品改良により車速感応式オートドアロックを全車に標準装備したほか、マツダコネクトには自車位置演算ユニットを搭載し、より高精度な自車位置測位と表示を実現した。

リヤシート高:750㎜
フロントシート高:630〜680㎜


シート表皮は写真のクロスの他に、パーフォレーションレザーを設定。一部グレードには運転席10ウェイパワーシートも設定されている。後席スペースは広く、シートには二段階のリクライニング機構も採用されるなど、使い勝手が良い。

2.0ℓと2.5ℓのガソリンエンジン、2.2ℓのディーゼルターボエンジンをすべて改良。2.5ℓガソリンエンジンには気筒休止システムが新たに採用された。

17インチと19インチを設定し、全車とも標準装備でない方をオプションで選択することもできる。

通常時:高さ790㎜ 奥行き960㎜

後席格納時:最小幅1030㎜ 最大奥行き1810㎜

ボディの大きさを反映した、広い荷室を確保。後席シートは4対2対4分割可倒式で、中央部分のみ格納することもできる。シートバックを簡単に倒せる便利な操作レバーも荷室に装備。

VEZEL HYBRID RS Honda SENSING

撮影車は18年2月のマイナーチェンジ前のモデル。最新モデルはフロントまわりのデザインが変更された。四車の中では最もコンパクトだが、低床設計によるスペース効率の良さが持ち味。

ダッシュボードのデザインや加飾に変更はないが、マイナーチェンジでHonda SENSINGが全車標準装備となり、スマホのApple CarPlayやAndroid Autoに対応するなど、機能性が高められた。従来通り、大きなセンターコンソールには便利な収納類を備える。



センタータンクレイアウトの低床設計により頭上スペースが広く、後席シートにはリクライニングも装備。マイナーチェンジにより前席は撮影車から形状とステッチが変更され、ホールド性が高められるなどの改良を受けた。

撮影車の1.5ℓハイブリッド車と、1.5ℓガソリンエンジン車を設定。どちらも直噴タイプだがハイブリッドは7速DCT、ガソリン車はCVTとなる。

グレード別に16インチから18インチまで3サイズを設定。「RS」系には18インチアルミホイールを標準装備。

通常時:高さ880㎜ 奥行き780㎜

後席格納時:最小幅1000㎜ 最大奥行き1700㎜

開口部とフロア位置がともに低く、荷室内の天地高が高いところが大きな特徴。後席には6対4分割可倒式のダイブダウン機構を採用し、シートを格納した際のフロアは広大かつフラットだ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 三菱エクリプスクロスをトヨタC-HR、マツダCX-5、ホンダ・ヴェゼルと徹底比較!〈インパネ/シート/ラゲッジスペース/スペックetc……〉