三菱ケミカルは、現在愛知事業所(愛知県豊橋市)においてSMCを製造している。国内では自動車のドアインナー・ラゲッジインナーやバックドアの構造材などに既に採用されており、また、欧州では、CPCを通じてCFRPを主構造材としたモビリティ分野の開拓を行ってきた。現在、欧州の高級車メーカーを中心に複数社から材料認定の取得を受けるべくSMCの開発を進めており、今後もその採用が増えていくことが期待されている。
同社としてはこうした旺盛な需要に応じるべく、伝統的に最先端のエンジニアリング力を有し、欧州の自動車関連の顧客へアクセスにも優れ、経験豊富な人材を多数輩出しているイタリア・モデナ市に生産設備を新設し、生産能力を増強する。これによりSMCの生産体制を愛知事業所とあわせて、グローバルに更なる拡販を進めていく。
三菱ケミカルは、今後も、日・米・欧にある炭素繊維の生産拠点と、設計提案力に裏打ちされたCPCの高い成形加工能力、欧米を中心に高いプレゼンスを誇る三菱ケミカルアドバンスドマテリアル社※(MCAM)のマーケティング力、セールスネットワークを融合させ、技術革新の著しいモビリティ分野に対して最適なソリューションをタイムリーに提供すべく、積極的に事業を展開していく。
※ 本年4月1日付で旧 Quadrant AG社から社名変更。各種スーパーエンプラとフィラーの組み合わせ製品を展開。炭素繊維のみならず、ガラス繊維、ポリプロピレン繊維等と熱可塑樹脂を組み合わせた商品を全世界で展開。