REPORT●ケニー佐川 PHOTO●佐藤寿
「またがりやすさ、取り回しの良さ、扱いやすいエンジンという点は50ccのカブと同様。110はエンジンの排気量が倍以上ある分パワフルで、50のように頻繁にシフト操作をしなくても加速や速度の維持が簡単。引っ張っても回転に苦しさを感じない分余裕もある。ホイールは前後17インチを採用しているため、コーナリングの安定性は高い。110はそこにアクセルオンで、タイヤをしっかりと地面に食いつかせることができ、走らせる面白さが加わる」
「多くのスクーターはCVTの特性もあって、出足はどうしてももたつきがち。PCXハイブリッドはそのもたつきをしっかりとモーターがアシストし、アクセルを開けた瞬間に飛び出していく。スクーターに乗ったことがあるなら、誰でも実感できるほどその違いは顕著だ。PCXのハイブリッド機構は、簡単にいえばセルモーターを加速に使用している(ACGスターター)。馬力は1.9psの上乗せだが、この排気量帯でその違いはとても大きいと感じた」
「GSX-R125と基本的な車体構成やエンジンは同じなので、走行性能の高さはR125に準ずる。このS125はカウルを取り払った無骨なスタイルに加えて、バーハンドルによるアップライトなライポジがR125との大きな違い。しかし姿勢が違えば乗り味も違い、姿勢がラクなことによって、R125よりも積極的に扱える印象。細かい操作が求められる市街地での機動力が高く、スポーツ走行に通勤にとオールラウンドに使える印象。車体もスリムなので、取り回しも非常に良い」
「シリーズの頂点であるGSX-R1000を意識したスーパースポーツ指向のスタイルに本気度を感じる。エンジンはそのスタイルを象徴するようにクラストップレベルの15psを発揮。ショートストロークの高回転型で、気持ち良く回転が伸びていき、スーパースポーツらしいサウンドも響かせてくれる。加えて6速MT、しかもクロスミッションなので操る楽しさは随一。ショートサーキットにでも持ち込んで真面目にコースを攻めてみたくなるモデルだ」
「原付二種といえば小ぶりなイメージだが、CB125Rはそれを覆す17インチタイヤのフルサイズ仕様。意匠については丸目のヘッドライトをはじめとしたレトロさがありつつも、LEDの採用に先進性を感じる。ライポジは状態がやや前傾。広いハンドルと高めのシート高(815mm)とが相まって、ストリートファイター的なポジショニングだ。軽量・スリムな車体とトルクフルなエンジンのおかげでスタートダッシュが速く、上級スポーツモデルのようにメリハリのある走りを楽しめる」
「トリシティは二つの前輪による安定感が最大の特徴。コーナリングのはじめは、通常のバイクと同じ感覚で傾けていくが、車体と同じく傾く二つの前輪のおかげで、そこからの粘りと接地感が一輪と比べて圧倒的で転ぶ気がしない。さらに左右のサスペンションは独立しているため荒れた路面や段差を越えた時も操縦に影響はなく安心感が高い。攻めればフロントや車体の重さが気になってはくるが、それよりも安全性というメリットの方が大きい」
「エンジン版のビーノの車体を使用しているため、車体自体はしっかりとしている。エンジンに比べればパワーの非力さは否めないものの、軽量な車体と出足から最大トルクを出せる電気モーターの特性が相まって加速が楽しいし、何より振動のなさと静粛性においてはエンジンの比ではない。航続距離に心配がないのなら「ブーストモード」を使用すればさらにパワフルな走りが可能だ」
「アンダーボーンフレームのため乗り降りのしやすさは良好。それに加えて50ccは車体が軽いため、取り回しの良さは特筆モノだ。カブの空冷4ストエンジンといえば、もともと低速トルクが強く粘りのある特性。この現行モデルはピストンやシリンダーの改良により回転の滑らかさがプラスされ、とても扱いやすくなった。カムチェーンまわりが再設計されたことでメカノイズが減り、静粛性も向上。これは乗って体感できるレベルだ」