REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、スズキ
ハスラーは先代ワゴンRのプラットフォームをベースに、165/60R15の大径タイヤを装着し、さらにサスペンションストロークを変更。最低地上高を180mm(FF車。4WD車は175mm)にアップ。28°のアプローチアングル、46°のデパーチャーアングルを確保することで、ラフロードや大きな段差のある場所でも走りやすいよう配慮した。
だが、それがどうした。
ハスラー、それも今回試乗したブラウン基調の「ワンダラー」には、そんな走りの弱点が些細なことに思えるほど、ポップかつ上質で楽しさに満ち溢れた内外装がある。
エクステリアは、丸目ヘッドライトや「HUSTLER」のフロントエンブレム、シフォンアイボリーメタリック×ウッディブラウンの2トーンボディカラーが、絶妙なレトロ感と愛らしさを醸し出している。
| |
インテリアは、茶×黒の2トーンシートやアイボリー調パネルが上質なだけではなく、ハスラーが元来備える絶対的な空間と視界の広さも、乗員をリラックスさせるのに一役買っている。
その姿を見ているだけで、幸せな気持ちになれる。そのシートに寄りかかるだけで、心が落ち着く。ハスラーワンダラーは、そんなクルマだ。
最初に述べた通り、ハスラーはデビューからすでに6年が経過しており、かつ現行モデルでハーテクトを採用していない唯一のFF系軽自動車でもある。早ければ今秋開催の東京モーターショーで新型のプロトタイプが参考出品され、年末に正式発表されることは充分に考えられる。
【Specifications】
<スズキ・ハスラーワンダラー(FF・CVT)>
全長×全幅×全高:3395×1475×1665mm ホイールベース:2425mm 車両重量:800kg エンジン形式:直列3気筒DOHC 排気量:658cc ボア×ストローク:64.0×68.2mm 圧縮比:11.5 エンジン最高出力:38kW(52ps)/6500rpm エンジン最大トルク:63Nm(6.4kgm)/4000rpm モーター最高出力:1.6kW(2.2ps)/1000rpm モーター最大トルク:40Nm(4.1kgm)/100rpm JC08モード燃費:32.0km/L 車両価格:160万8120円