PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
ガソリンエンジンの排気温度はディーゼルエンジンよりも高く、そのベーンには900℃超の耐熱性が要求される。それをクリアするためには相応の高価な素材(それが何かは「企業秘密だがそう多くはないので特定はしやすいはず」とのこと)を用いなければならず、コストアップの大きな要因となっていた。
だが、最新の「第6世代VTG」では、同社が「カートリッジ」と呼ぶ可変ベーン機構周辺の部品を、打ち抜き加工で生産することを可能にすることで、従来の削り出しに対し大幅にコストを低減しながら、最大950℃の排気温度に対応させている。
またタービンとコンプレッサーを、ミラーサイクルガソリンエンジンに適したコンパクトなサイズとし、低回転・低負荷域での過給効率を向上。同時に出力点での排気圧を下げることで、全領域でλ=1を実現可能にした。
この「第6世代ガソリンVTG」、年内発売予定の新型車に搭載される予定とのこと。さらに今後は、より高い比出力のミラーサイクルガソリンエンジン向けに、排気温度1050℃まで対応するものが開発される計画。