だがチェコは、古くから東欧屈指の工業国として名を馳せてきた。そのチェコを代表する自動車メーカー「シュコダ」の歴史は、なんとオーストリア・ハンガリー帝国時代の1895年にまで遡るのだ。
今となってはフォルクスワーゲン・グループの一員ではあるが、フォルクスワーゲンともアウディともセアトとも違う、独自のキャラクターで存在感を放っている。
とりわけ欧州では「フォルクスワーゲンは普遍的、アウディは先進的、セアトは若々しい、そしてシュコダは上品」といったイメージが浸透しているようだ。
そんなシュコダが2018年末に放ったBセグメントのクロスオーバーSUVがカミックで、MQBプラットフォームを採用し、フォルクスワーゲンT-ROQ、アウディQ2、セアト・アローナとは兄弟車となる。
エンジンは直列3気筒1.0L、直列4気筒1.5Lのガソリン、直列4気筒1.6Lのディーゼル、そして直列3気筒1.0LのCNG仕様をラインナップ。グレードによって5速MT、6速MT、そして7速DCTが組み合わされる。
インテリアはシュコダらしくエレガントにまとめられており、ベージュのレザーシートなど、ラグジュアリーな選択肢も用意されている。ポップなイメージの強いこのクラスのSUVでは貴重な存在だ。
ボディサイズは全長4241mm、全幅1793mm、全高1531mmで、日本にもジャストフィットと言えそうだ。
とりわけ、2019年3月のジュネーブショーでデビューしたマツダCX-30に近いサイズで、欧州をはじめとしたグローバル試乗では真っ向勝負のライバルになりそうだ。
シュコダ・カミック
全長×全幅×全高:4241×1793×1531mm
マツダCX-30
全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
日本への導入は望み薄だが、カミックは東西ヨーロッパをはじめ、ロシア、北アフリカ、中央アジア、東南アジア、オセアニア、中国、そして一部の中南米諸国といった幅広い市場で販売されるグローバルモデルである。