今となってはフォルクスワーゲン・グループの一員ではあるが、フォルクスワーゲンともアウディともセアトとも違う、独自のキャラクターで独自の存在感を放っているのだ。
担当者の勝手なイメージだと、フォルクスワーゲンはフツー、アウディは先進的、セアトはスポーティ、そしてシュコダはエレガントといったところ。かつてのランチアに近いともいえそうだ。
そんなシュコダが、2018年にリリースしたCセグメントハッチバックが素敵すぎるので紹介したい。
その名を「スカーラ」といい、VWゴルフやアウディA3と同じくMQBプラットフォームを採用しているのだが、なにしろそのエクステリアからして最高にカッコイイ。アバンギャルドとエレガントを高次元で融合させいて、大人っぽいのに若々しくもあるという稀有なデザインだ。
まぁ、デザインの評価は主観によるものだからこれくらいにしておくとして、なぜに日本導入を希望するのか、その理由をボディサイズから説明していこう。
全長×全幅×全高:4362×1793×1471mm
ホイールベース:2649mm
フロントオーバーハング:843mm
リヤオーバーハング:870mm
ミラーtoミラー:1988mm
このスカーラは5ドア専用ボディで、写真をご覧いただければわかるとおり、ややステーションワゴンに近いパッケージングを持っている。
路上駐車が許容されているヨーロッパでは、ボディの全長は短い方がありがたい。縦列駐車がしやすくなるからだ。また、狭い道が多いとはいえ一方通行が多いため、全幅はそれほど気にされていないのが実情だ。
だから昨今のヨーロッパ車には幅広で全長が短いという、真上から見ると正方形に近いシルエットのハッチバックモデルが多い。
一方、我が国では、コンパクトカーだろうがなんだろうが枠で仕切られた駐車スペースに停めざるを得ないため、全長はそれほど短くなくてもいい。その代わり、全幅が狭ければとなりのクルマとのスペースが広がるから乗り降りしやすくなり、ドアをぶつけられる可能性も低くなる。
そう考えると、スカーラのやや縦長なシルエットは日本にこそ向いていると言えるのだ。ステーションワゴン的なボディ構成ゆえにドアも短く、それも狭いスペースでの開閉に有利に働く。
もちろん、アウディA3もスカーラに近いボディ構成を持っているのだが、東欧市場にフォーカスしたスカーラは、前後のアプローチアングルを大きめに採られているなど、より劣悪な道路環境での使用に配慮されている。
もうひとつの大きな魅力は、直列3気筒1.0LのTSIユニットだろう。95ps&175Nmと115ps&200Nmという2種類のチューンが用意され、前者は5速MT、そして後者には6速MTもしくは7速DSGが組み合わされる!
担当者としては5速MTに惹かれるものがあるが、7速DSGであれば日本でも十分に商品力があるはず。
さらに、シュコダならではの暖かみに溢れるラグジュアリーなインテリアにも注目だ。合理的だが無機質とも言われるドイツ勢に対し、ここはチェコのブランドとして譲れない部分なのだろう。ヨーロッパには、このインテリアを求めてシュコダを選ぶユーザーも多いと聞く。
そしてもうひとつ、とくにアウディと異なる点は、シュコダはけっしてプレミアムブランドではないということ。簡単に言えば、アウディA3よりも価格が安い。グレード、そしてマーケットによってはVWゴルフよりもお買い得な場合もある。
ゴルフよりキャラクターが尖っているのは間違いなく、プレミアムブランドではないにもかかわらず高付加価値を備えているという点では、マツダ3に近い存在かもしれない。
「シュコダ・スカーラか、マツダ3か」そんなクルマ選びで頭を悩ませてみたいものである。
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