今、TVやネットで話題になってる、ユーチューバーのやり過ぎ事件。東京は渋谷駅前のスクランブル交差点に男性が寝そべったベッドを運び込み、通行人の注目を浴びる様子を撮影した動画を、この3月にyutubeにアップし、それを見た渋谷警察署が、道交法違反の疑いで、捜査を始めたというものだ。が、報道ではいまいち、よくわからないのが、その行為がなぜ「道路交通法違反」になっちゃうのかってこと。さっそく、検証してみよう。

お酒に酔ってふらついても道路交通違反!?

 まず、ことわっておくと、件のユーチューバーが犯した行為は、交差点の歩行者用信号が青信号の時だということ。つまり、当然だが、「信号無視」にはあたらない。が、交差点で歩行者が犯しそうな違反というのは、「信号無視」以外には思い当たらない。では一体、なんの罪なんだ? と思っていたら、それもそのはず、読売新聞によると、渋谷署は「道路での禁止行為違反」で捜査をしているというのだ。




 ちなみに、道路交通法に定められている「(道路における)禁止行為」とは、以下の通り。

(禁止行為)


第七十六条  何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。


2  何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。


3  何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。


4  何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。


一  道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。


二  道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。


三  交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。


四  石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。


五  前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。


六  道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。


(罰則 第一項及び第二項については第百十八条第一項第六号、第百二十三条 第三項については第百十九条第一項第十二号の四、第百二十三条 第四項については第百二十条第一項第九号)

 そのうち、今回の件に適用されそうなのは、「3」と「4の二」。要は「危険な行為によって生ずる通行妨害」ということだ。これはもちろん、交差点に限らず、すべての道路において適用される。酒に酔ってふらつくことも、程度によっては「道路交通法違反」ということになっちゃいます。




 ちなみに、罰則は「3」が「3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金」、「4の二」は5万円以下の罰金となっている。ただし、道路交通法の罰則は、主に車両の運転者に科せられるものであり、歩行者に適用するかどうかは、警察官の判断次第だ。この場合は、たぶん、書類送検はされるものの不起訴処分→ただし厳重注意ということになりそうだ。




 ついでだが、4/8、あたかも人が刺されたような動画と「人が刺されて犯人はまだ捕まっていません」というコメントを、これも3月に、ツイッターに投稿した男女4人が、警視庁に書類送検されたが、これは、以下のような、軽犯罪法の第一条6項に定められた「虚偽申告」という罪によるものだ。

軽犯罪法


第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。


十六 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者

 確かに、投稿者が公務員である警視庁の警察官に直接、申告したわけではないが、この投稿を見た人が110番したためにその事実が発覚したことから、たぶん、間接的ではあっても申告を受けたことに間違いはないという判断がなされたのだろう。




 とにかく、今に始まったことではないが、YouTubeにしろツイッターにしろ、「インターネットは世界中に無制限に情報を垂れ流している」ということを知らないで乱用している人があまりにも多すぎる。ネットの世界に「仲間内のコミニュケーションツール」なんてありえないことを、これを機に、再認識してほしい。




PHOTO by HOOD RIDEZ Ink.

情報提供元: MotorFan
記事名:「 好奇心解説! これが、交差点にベッドを置いちゃいけない理由だ!【交通取締情報】