REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、三菱自動車工業、日産自動車
--これまでのeKカスタムをeK Xに代えた狙いは?
吉川 eKワゴンが属するハイトワゴン系は、2017年の軽自動車新車販売の32%を占めていますが、その中で14%のお客様がカスタム系、11%のお客様がSUVテイストのものを選んでいます。
ですが、お客様が軽自動車を購入するうえで重視するポイントを調査してみたら、10年前は維持費や価格、燃費がトップ3だったのに、直近ではボディカラーや外観が上位に来ており、お客様のニーズがこの10年間で大きく変わっていたんですね。
ですのでeKワゴンは正常進化、悪い所は全部直して良い所はもっと良くする方向で開発し、eKカスタムは「eK X」という、我々が強みとしているSUVのテイストを採り入れた、これまでとは違った名前、違ったクルマとして作ろうということになりました。
--日産デイズとの相違点は?
吉川 アライアンスという傘の中で開発している以上、全く違うクルマを作ったら意味がなくなりますので、パワートレインや足回りなどのメカニズムは基本的に日産さんと全く同じです。ですが外観、最も典型的なのはeK Xのデザインですが、シートの生地も作り分けて、お互いのブランド色を出すようにしています。
--プレゼンテーションでは高い走破性へのこだわりについてお話をされていましたが、4WDのメカニズムやスタビリティコントロールも日産デイズと同じですか?
吉川 同じですね。日産さんは4WDをあまりアピールしませんが、我々は以前より4WDを強く主張しているブランドですので、その伝え方などは違いますが、電子制御システムを含めて同じものになっています。
--新型eKワゴンをベースに今後様々な軽自動車を展開されていくと思いますが、eK XのようなSUVテイストのものを今後増やしていくお考えですか?
吉川 当社でいえばRVRのようなクロスオーバーSUVが好まれているのは全世界的な傾向だと思います。そして三菱にはSUVや4WD、ラリーといったものが脈々と流れていますので、そうしたイメージに沿った分かりやすい、三菱車と分かってもらえるようなSUVを、我々としてはやるべきだと考えています。
--今回eK Xを発売したことで、これがスタイリッシュなSUVテイストのワゴンの先駆けとなり、三菱車ファミリーの中で広がっていく期待が持てますね。
吉川 メチャクチャ売りたいんですよね。乗っていただきたいです。軽自動車のお客様には目立ちたくないという方もいらっしゃいますので、そういう方には難しいのかもしれませんが、その一方で差別化を求める方もいらっしゃいますので。
--その点、eKワゴンは非常にオーソドックスですよね。
吉川 はい、これはこれで残そうということは、最初から考えていました。
--ありがとうございました。