新型Aクラスは、先代モデルのワイド&ローのプロポーションとアグレッシブで若々しいディスタイルというコンセプトはそのままに、プラットフォームを完全新設計し、メルセデスの先進技術を注ぎ込むことで快適性が大きく向上したスポーツコンパクトモデル。Sクラス、Eクラスなどの上級モデルに搭載されている最新の安全運転支援システムを採用するなど、多くの最先端機能を取り入れているのも新型Aクラスの大きなセールスポイントである。
このほど追加された「A200d」は、メルセデス・ベンツのコンパクトモデルにとって初めてのクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルだ。すでに C クラスや E クラスで実績がある優れた燃費性能を誇る直列 4 気筒クリーンディーゼルエンジン「OM654」をベースに横置きに対応。従来の排出ガス処理システムに加え、アンモニアスリップ触媒(ASC)を備える SCR 触媒が増設されている。その結果、欧州で 2020 年から施行される予定の「EURO6d」規制やステージ2RDE(実路走行試験)規制に適合する環境性能を持つ。
「A200d」に搭載されるOM654qエンジンは最高出力150PS、最大トルク320Nmで、コンパクトなボディを力強く加速させる性能を持ちながら、低振動で高い静粛性を両立させている。
シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして、全長をコンパクトにまとめたシリンダーブロックは軽量化のためにアルミニウム製となっている一方、 ピストンはスチール製となる。この熱膨張率の異なる素材を採用することで40%以上摩擦を低減している。また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工を施した。
ターボチャージャーは可変タービンジオメトリーを採用し、低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能にしている。
ピエゾインジェクターを使用した、コモンレールダイレクトインジェクションシステムは最大圧力2050barまで高められている。また、冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み合わせたマルチウェイ排出ガス再循環(EGR)を搭載しており、燃焼の最適化を図り、後処理を行う前の段階で窒素酸化物を低減することが可能になった。
この排出ガスの浄化システムは、エンジンに近接し搭載されたことで、排出ガスの温度低下による浄化効率の低下を防ぐことを可能にするなど、先進のクリーンディーゼル技術が投入されており、日本市場で販売される乗用車では他に類を見ない排出ガス処理システムとなっている。組み合わされるトランスミッションは新開発「8G-DCT」(8速デュアルクラッチトランスミッション)となり、様々な状況で最適なギアを選択することで、環境性能や動力性能に貢献する。
全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ではすでに予約注文の受付が開始され、納車は2019年6月頃となっている。
車両本体価格
A200d (右) 399万円