僅か1mm弱の隙間で起こる高圧電流を活用した放電の火花が、シリンダー内に吸気・圧縮された燃焼ガスに火をつけ、大きな爆発エネルギーを得ることでエンジンが動く。求められる機能性はシンプルで古くからか変わらないのだが、NGKはじつに19年振り、しかも初の2輪専用新開発としてmotoDXスパークプラグを発表したとあって、かなり気になる存在となりそうだ。
バイクのエンジンは車のそれと比較すると遥かに高回転で使われるケースが多い。当然着火回数は断然多く、発熱に対するストレスも大きいだけに、耐久性に対する要求レベルも高くなる。
NGK MotoDXは、そんな厳しいニーズを踏まえ、これまで積み重ねられたノウハウと最先端技術を投入して開発されたのである。希望小売価格はサイズによって多少の差はあるが、中心は2,200円。
既にプレミアム・スパークプラグとして定着しているイリジウム・プラグの実勢価格よりおよそ1,000円高いが、耐久性もグンと向上しているから、割高感はそれほど大きくは感じられない。
むしろ、同じバイクでの装着比較テストで得られた性能向上ぶりに驚かされる。追い越し加速でコンマ2秒、アイドリング燃費で2〜3%の向上は侮れない。
当MFjpでも厳密かつ多彩な場面想定でスパークプラグの付け替えテストをしてみたいと思えたのが正直な感想。機会あれば、バイク専用「motoDX」のポテンシャルを改めてレポートしたい。乞うご期待である。