REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
ホンダ・CBR400R……793,800円
CBR400R新型登場の報があったのは1月29日の事だった。広報写真から伝わる見栄えの第一印象ではあまり大きな変更が見られなかっただけに、いわゆるちょっとしたマイナーチェンジだろうと筆者はあまり気にもかけていなかったのだが、ツインリンクもてぎで開催された発表撮影会に出向くと、想像以上の熟成ぶりと進化の大きさに驚かされた。
ウェッジシェイプで構成されるサイドビュー等、全体的な印象は同様ながら、実車を目前にすると本気度の異なる雰囲気が漂ってくる。低くシャープさを増したフロントスクリーン。前傾姿勢を強めるために低く設定されたハンドル位置。新型メーターやウインカーのLED化等、細部にわたり徹底的に改善されていたのである。
開発コンセプトのキーワードは「より刺激的に!より自由自在に!」だ。随所にホンダレーシングDNAのフィードバックが唄われ、実質的な変貌ぶりの大きさが窺い知れる。カタログコピーに見つけた「湧き上がるパワーフィール。磨かれた官能性能。」にも期待が高まる思いがした。
基本的に400Xと共通の270度クランクを持つ水冷ツインエンジンには噴霧の狭角化と噴霧粒径の最適化で吸気バルブに集中して燃焼ガス供給を担う新型インジェクターを採用。 従来モデル比で全回転域に渡るパワートルクアップを実現している。
バルブタイミングやリフト量の最適化も相まって、特に3000~7000rpmのトルクは3~4%も向上。ピークトルクも膨らみ、最高出力発生回転数は9500から9000rpmに低くなったのも見逃せない。
緻密な回転センシングと吹き上がり感を強調した燃料噴射セッティングも施され、より扱いやすいスロットル制御を実現していると言う。
多くの場面で逞しさを感じられる出力特性に美味しさがある
●足つきチェック(ライダー身長170cm)
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⚫️ディテール概要
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■主要諸元■
車名・型式 ホンダ・2BL-NC56
全長(mm) 2,080
全幅(mm) 755
全高(mm) 1,145
軸距(mm) 1,410
最低地上高(mm)★ 130
シート高(mm)★ 785
車両重量(kg) 192
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L) 国土交通省届出値:
定地燃費値(km/h) 41.0(60)〈2名乗車時〉
WMTCモード値★(クラス) 28.3(クラス 3-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.9
エンジン型式 NC56E
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
総排気量(cm3) 399
内径×行程(mm) 67.0×56.6
圧縮比★ 11.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 34[46]/9,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 38[3.9]/7,500
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式★ セルフ式
点火装置形式★ フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式★ 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 17
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比
1速 3.285
2速 2.105
3速 1.600
4速 1.300
5速 1.150
6速 1.043
減速比(1次★/2次) 2.029/3.000
キャスター角(度)★ 25゜30′
トレール量(mm)★ 102
タイヤ
前 120/70ZR17M/C (58W)
後 160/60ZR17M/C (69W)
ブレーキ形式
前 油圧式ディスク
後 油圧式ディスク
懸架方式
前 テレスコピック式
後 スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 ダイヤモンド
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/本田技研工業株式会社
■ライダープロフィール