視界の良い高めのシートポジションと広くて多目的に使えるキャビンに、スポーティでエレガントなデザイン、卓越した走行性能と先進テクノロジーを融合した、モダンでオールラウンドなSUV、アウディQ5。
両車のボディサイズ、最小回転半径、荷室容量、エンジン性能を比較してみよう。
Cセグメントはフォルクスワーゲン・ゴルフが永遠のベンチマークとして君臨するハッチバックをはじめとして、ありとあらゆるボディ形態において各車が主力モデルを投入する激戦区である。そしてそれは、近年大ブームとなっているSUVにおいても例外ではない。
ボルボXC60とアウディQ5の初代モデルはいずれも2008年に欧州でデビューし、翌2009年に日本上陸。いずれもミリオンセラーへと成長した。そして現行2代目は2016年に欧州でワールドプレミアされ、翌2017年に日本でも販売を開始している。
この両車のうち、ディーゼルエンジン搭載車の最上級モデル「ボルボXC60 D4 AWDインスクリプション」と、20インチホイールを装着するなど装備を大幅に充実させた250台限定モデル「アウディQ5 TDIファーストエディション・ブラックスタイリング」の日本仕様同士で比べてみた。
ホイールベースとトレッドこそXC60の方が40mmほど広いものの、ボディサイズはほぼ同じ。1900mmもの全幅には、日本の狭い道と駐車場では物理的限界に直面させられることが少なくないものの、両車とも視界は良く車体の四隅を把握するのも容易なため、運転は決して難しくないはずだ。
ともにFFベースの4WDながら小回り性能は優秀。特にQ5はエンジン縦置きのメリットを活かし、255/45R20タイヤを装着するTDIファーストエディション・ブラックスタイリングを含む全仕様で5.5mを確保している。これが車幅の広さを少なからず補うことは言うまでもないだろう。
後席使用時はXC60の方が85L、逆に後席格納時はQ5の方が118L、荷室容量が大きい。なお、後席使用時の奥行きはXC60が960mmなのに対しQ5は982mm。ホイールハウス間の幅はXC60が1055mm、Q5が1050mmとほぼ変わらないが、XC60の荷室フロア高は616mmと低く(Q5は非公表)、リヤサスペンションにリーフスプリングを用いるXC60のSPAプラットフォームが荷室フロア高低減と荷室容量拡大に功を奏していると言えそうだ。
見事なまでに最高出力と最大トルクは全く同じだが、発生回転数はQ5の方がワイドレンジだ。しかしながら、トランスミッションはXC60の8速ATに対しQ5は7速DCT、車重はXC60の1880kgに対しQ5は1900kgと若干不利なためか、JC08モード燃費はXC60の16.1km/Lに対しQ5は15.6km/Lと、やや劣勢を強いられている。