スバルの前デザイン部長で現在は、首都大学東京で教鞭をとる難波治教授が、ジュネーブ・モーターショーを取材。今回はアシスタントなしの単独取材を敢行。デザインチェックと写真撮影をおこなった。第一弾は注目のマツダCX-30である。




COMMENT &PHOTO◎難波 治(NAMBA Osamu/首都大学東京教授) まとめ◎MotorFan.jp編集部

難波 治 筑波大学芸術学群生産デザイン専攻卒業後、スズキ自動車に入社。カロッツェリア・ミケッロッティでランニングプロトの研究、SEAT中央技術センターでVW世界戦略車としての小型の開発の手法研究プロジェクトにスズキ代表デザイナーとして参加。独立後、国内外の自動車メーカーのデザイン開発研究&コンサルタント業務を開始。2008年に富士重工業のデザイン部長に就任。13年にCED(Chief Executive Designer)就任。15年10月から首都大学東京トランスポーテーションデザイン准教授。

 マツダCX-30。これは、なかなか素晴らしいデザインだと思います。CX-3と比べるとはるかにいいと思います。一番歳下だった3が30歳になり、いい青年になった……という感じでしょうか?




MF:教授、CX-30は、じつはCX-3の後継モデルじゃないんですよ。現行デミオベースのCX-3に対してこのCX-30は、新型マツダ3ベースのSUVということです。サイズもだいぶ違いますしね。CX-3とCX-30は併売されるそうですよ。

 サイドのシルエットも非常にいいです。それから魂動の第二世代デザインという感じの非常に強い……進化して醸成されてきた感じが強くします。非常によく練り込まれたいい造形、かたまり、表現になっていると思いますね。


 ただ、フロントクオーターから見たときのドアのキャラクターのやや下の一般面にマイナスに凹んでいる面への映り込みがそんなにきれいなじゃなく感じてしまうことがのが残念です。


 フロント周りともに、非常にいいバランスで乱れもなく、また全体としても質感も高いです。大きなマイナス面のところの映り込みがやや凹んで見えるというか、リフレクションがきれいじゃなく感じてしまうところが、繰り返しますがとても残念です。

 Aピラーからルーフサイドにかけて実際には頭上空間を稼ぎながら、しかしシルエットとしては後ろに流れるようなクーペ調を感じさせるところ、そしてえCピラーの付け根、リヤフェンダーのところにちょっと台というか1ステップがつくような後ろに回っていく取り回しのところなんかも非常に上質にきれいに仕上げられています。

 大きさ感ですけれど、現行CX-3よりもいいサイズになっています。CX-5に遠くないサイズなんでしょうけど、5に対しては、コンパクトでパーソナルなものになっています。


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 じつは(ここは、小声で)CX-3のデザインは僕はあまりすきじゃないんですが、CX-30はいい。日本車のなかでここまで質感のいいクルマづくりができるということは、マツダっていう会社が一歩抜きんでた気がします。




 マツダCX30の内装です。インパネ内部の構成は3と共用だと思いますが、こちらはケレン味なく仕上げてあります。


 相変わらず後方視界はやや難ありですし、後席は狭いですがCX-3よりは確実に改善されています。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 「なかなか素晴らしいデザイン」マツダCX-30のデザインをスバルの前デザイン部長・難波治教授が語る