たとえば、エクステリアを見ると、ヘッドライトの形状やグリル、バンパーの意匠など、CLSやAクラスで先行する新世代デザインに通じる雰囲気に大きく変更されている。兄貴分のGLEにも通じる、筋肉質なボディラインが一際目を引くところだ。
インテリアはどうだろうか。運転席からの視点では、高精細液晶メーターやタッチ式パッドを備える最新のステアリングを装着し、ダッシュボードには12.3インチ・インフォテインメントディスプレイを装備している。当然、運転支援システムを始めとした安全装備も刷新されている。こうしたリファインは、新型Cクラスと同じ方程式といえるだろう。
しかし、新型Cクラスと大きく異なるのは、MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー・エクスペリエンス)の採用である。タッチスクリーン式のマルチメディアディスプレイやジェスチャーコントロール、そして「ハイ! メルセデス」と呼びかけて操作する“近未来の体験”ができるのが特長だ。
グレード別にパワーユニットを見てみよう。最もベーシックな「GLC 200」(197ps)は、BSGと呼ばれるいわゆるマイルドハイブリッド機能を持つパワーユニットを搭載。こちらも新型Cクラスで採用され、1.5L 直4ターボを10kWの電気モーターで補い、スムーズな加速と変速ショックの少ない走りを実現する。
最上級グレードの「GLC 300」(258ps)は2.0L 直4ユニットで、こちらもまたBSGを搭載するエンジン型式「M264」という新しいパワーユニットだ。そのほか、「GLC 200 d」(163ps)、「GLC 220 d」(194ps)、「GLC 300 d」(245ps)といったディーゼルモデルも充実している。ちなみに、ガソリン車を含み、全グレードともに4MATICと呼ばれる4輪駆動でモデルである。
メルセデス・ベンツは、SUVセグメントにおいてGLA、GLC、GLCクーペ、GLE、GLEクーペ、GLS、Gクラスという7つのモデルを展開。累計500万台を販売し、大きな成功を納めている。つまり、マイナーチェンジであってもフルモデルチェンジに近い大改良を行うのは、ある意味では当然のことなのかも知れない。
新型メルセデス・ベンツGLCは、欧州各国では初夏に発売される予定で、クーペ版のデビューもすでにカウントダウンが始まっているはずだ。