パッと目に付くのはフロントマスクのお化粧直しくらいで、人気モデルらしくマイナーチェンジとしての変更点は最小限に抑えられている。
エンジンのラインナップもSCe65(日本未導入)、SCe75、TCe95で、現行モデルと変わらない。組み合わされるトランスミッションも、5速MTと6速DCTの二本立てで、これも現行と同じだ。
ちなみにGTは本国でもひとまず現行モデルが継続販売されている。
つまり今回のマイナーチェンジは大幅なテコ入れではなく、あくまでルーティーンの小変更にとどまっており、現行モデルのオーナーは愛車が旧型になってしまったなどと心配する必要はなさそうだ。
だが、これから購入しようと思っている人にとっては新型の存在は気になるもの。現行のデザインが気に入っている人は急いだほうがいいだろうし、新型が欲しい人は待ち遠しく感じるだろう。
これまでのルノーの新型モデルの導入タイミングを振り返ってみると、フルモデルチェンジした場合は、1〜2年かかることが多い。世界的な販売ボリュームのなかにおける日本のポジション、そして右ハンドル市場であることを考えれば、時間がかかってしまうのはしかたがない。
ちなみにルノー・スポール系や、ブランドこそ違えど同じグループのアルピーヌは、日本のマーケットとしての重要度が世界的に見てかなり高い(常にトップ5以内に入っている)ので、新型の導入が早いのだ。
一方マイナーチェンジの場合は、半年から1年以内に導入されることがほとんどだ。先代二代目トゥインゴ、そして最近のルーテシアやキャプチャーなどを見ても、比較的スムーズに日本に導入されてきた。
カングーのDCT仕様のように、フランス本国よりも早く発売されたなんて例もある。
となると、新型トゥインゴの導入にはそれほど時間が掛からないと言えそうだ。ただ三代目トゥインゴは、ダイムラーにOEM供給しているsmartと同じスロベニアのノヴォメスト工場で生産されており、欧州での販売ボリュームがかなり大きいモデルであることは考慮しなければならない。
というのも、トゥインゴは日本や英国と並ぶルノーにとっての大きな右ハンドル市場であるオーストラリアでは販売されていない。つまり、どうしても左ハンドルの生産が優先される可能性はある。
いずれにせよ、マーケットに合わせた車両側の対応や、膨大な法規関係の手続きが必要なフルモデルチェンジと比べれば、マイナーチェンジ時のメーカーやインポーターの負担は少ない。新規のパワートレインがなければなおさらだ。というわけで、新型トゥインゴの早期導入は期待してもよさそうなのである。