また、「Intelligent Pilot」の機能を顧客のサービスに加えられるソフトウェア開発キット「Intelligent Pilot SDK」を使えば、スマートフォンでもAIスコアリング機能などを使用することができる。さらに、専用対応端末(通信型ドライブレコーダー等)と組み合わせれば、より高度な運転支援が可能になる。
1) デジタル地図データとGPSで測位した位置情報を用いて、過去の「運転行動」から交通ルールの順守傾向や交通違反行動※1を抽出
2) それらの情報と、 「走行道路」情報から独自の技術※4で抽出した“事故が発生しやすい場所や地形”の情報を紐づけ
3) 紐づけた情報をAIで学習し、作成したアルゴリズムを用いて、事故に遭遇する可能性まで含めたドライバーごとの潜在的なリスクを診断
※1 急ブレーキ、 急ハンドル、 急アクセルなど。
※2 一時不停止、 速度超過、 通行禁止違反など。
※3 本スコアリング機能の方式について特許出願中。
※4 信号やカーブなどの「デジタル地図属性データ」に、 「事故発生地点データ」や「急減速多発地点データ」などをGIS技術で関連付け、 時間帯や天候などを加味して、 事故が発生しやすい場所などを予測する独自の事故リスクプラットフォームを活用。
「Intelligent Pilot」の事故削減効果をさらに高める手法を検討する中で、「交通死亡事故を起こしている人の約8割が、過去5年以内に交通違反をしている※5」との調査データに着目。 事故を防ぐには、交通違反行動を把握するなど、運転を正しく評価する必要があると考えた。そこで、運転行動のモデル化などの知見を有する名古屋大学の武田一哉教授※6協力のもと、交通事故との関係性が高い違反行動の抽出および交通違反と判断する行動の定義などを行い、AIスコアリング機能の診断アルゴリズムに取り入れた。
実際に事故を起こしたドライバーと無事故のドライバーの走行データを、AIスコアリング機能を用いて診断した結果、事故を起こしたドライバーの84%が“リスクが高い”、無事故のドライバーの93%が“リスクが低い”と診断された。
* 2019年2月パイオニア調べ。2017年4月から2018年9月にかけて同社が収集した走行データの中から、それぞれに該当するデータを無作為に抽出(各159件)し、診断した結果。
※5 大阪府警察:交通死亡事故当時者と交通違反歴との相関分析結果より
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/kotsu/anzen/4/5867.html
※6 武田一哉 教授のプロフィール
名古屋大学 未来社会創造機構、IEEE ITS Society BOGメンバー(理事)、人間機械協奏技術コンソーシアム(HMHSコンソーシアム)領域統括。実道路におけるさまざまなドライバーの運転行動をデータベース化し、ドライバー個々人の運転行動の特徴を分析・抽出し、運転行動のモデル化を行うとともに、その成果を活用して、ドライバーの個性に応じた個性化運転支援システムの開発を行っている。