TEXT:世良耕太 @Kota Sera PHOTO:MFi/三菱自動車
新型三菱デリカD:5は「買い」なのか「買いではない」のか!?
新型デリカD:5を北海道の雪道で走らせた。4WDの「走破性」を確認するのが目的の特設コースで走らせたので、乾燥舗装路では乗っていない。だから、印象には偏りがあるかもしれない。限定された条件での試乗だったが、それでも、印象はまるっきり異なった。
ひと目見た瞬間、新型は「新しくなった」ことがわかる。もっと新しさを感じるのはドアを開けて室内に入り込んだ瞬間で、新旧の差は、使い込んだ合宿所と最新ホテルのインテリアくらい落差がある。新しい物を目にした途端に「現行」が一気に古くさく見えることはままあるが、デリカD:5がまさしくそうだった。ワンランクどころではないレベルで質感が上がっている。
別に筆者の感覚が若手の部類に入ることを言いたくてこのエピソードを引き合いに出したわけではない(のですよ、ホントに)。新旧を乗り比べてみると、断然新型のほうがいい。「軽い」というのは相対的なもので、実際にはほどよく、むしろ現行が重く感じるのだ。現行モデルが現役のころは何の違和感も感じていなかったのに(インテリアの質感についてもそうである)、新型に触れた途端「何だこれ」と感じてしまうのだから不思議なものである。
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2.2ℓ直4ディーゼルエンジンにも手を入れた。最新の排ガス規制に対応するのが主眼だが、いいタイミングだとばかりに最新の技術を取り入れた。レスポンスを含めドライバビティが改善しているし(この点に関しては、ぜひとも乾燥舗装路で試してみたい)、軽くなっている(174.5kg→169.2kg)。
排ガス性能を向上させるため、NOx浄化率の高い尿素SCRシステムを採用した。現行はNOxトラップ触媒である。じつは新型も当初はNOxトラップ触媒で開発を進めていたという。ライフサイクルの途中で尿素SCRを投入するつもりでいたのだが、「一気にクリーンにしよう」と、途中で方針転換をした。
排ガス性能が向上したのはもちろんだが、副次的な効果もあった。燃焼音が静かになったのだ。現行デリカD:5では、NOxトラップ触媒を効果的に機能させるための燃料噴射を行なっていた。ある意味、変則的な噴射を行なっていたことになる。新型は後処理装置のことを気にせず、エンジン本来の性能を考えて燃料を噴射できるようになった。その効果で、ジャラジャラ、ガラガラ系のにぎやかな音が減じている。
ミツビシ デリカD:5 G (8人乗り)
■ボディ寸法
全長×全幅×全高:4800×1795×1875mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1950kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット/Rマルチリンク
駆動方式:電子制御AWD
■エンジン
形式:直列4気筒ディーゼルターボ
型式:4N14型
排気量:2267cc
ボア×ストローク:86.0×97.6mm
圧縮比:14.4
排ガス後処理:DOC+DPF+SCR
最高出力:145ps(107kW)/3500rpm
最大トルク:380Nm/2000rpm
使用燃料:軽油
■トランスミッション
8速スポーツモードAT
■燃費
WLTCモード燃費:12.6km/ℓ
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