先日、岐阜県警が可搬式ではなく、半可搬式の移動オービス、LSM-300Kによる速度取締の模様を各メディアに公開した。で、その報道記事から、「有人取り締りが常道の移動オービスを無人で運用するのでは?」という疑問を本サイトで投げかけたのだが、なんと、岐阜県警がほんとに無人運用している現場に遭遇! こいつはエライことですよ!

無人で撮影し、反則行為でも検挙するとしたら、まさに歴史的なおきて破りとなる!

LSM-300Kは東京航空計器製の、レーザー式移動オービス。軽量&コンパクトな可搬式移動オービス、LSM-300等に対して、盗難、倒壊対策として重量が500kgあることから「半可搬式」と呼称される。

 岐阜県は加児市の大森付近を走る市道に、こつ然と姿を現したレーザー式移動オービス、LSM-300K。移動オービスによる速度取り締りと言えば、違反を現認する警察官とセットというのが今までの運用方法だったが、ここは、どこを見回しても警察官の姿は見当たらない。交差点の角に、カラーコーンにかこまれたオービスが無人状態で放置(?)され、南行き車線を捕捉しているだけなのだ! しかも400m手前には、「速度違反自動取締中」という青い看板が! つまり、見た目はLHシステムやHシステムなどの固定式オービスと何も変わらない、というわけだ。




 となると気になるのは、固定式同様、非反則行為(赤切符限定)での撮影→検挙となるのか、それとも可搬式と同じく、反則行為(青切符)でもビシビシ取り締まるのか、だが、少なくともこの現場に関しては、赤切符限定の取り締まりとなると30km/hオーバーの90km/h以上(制限速度60km/h)で走るクルマしかその対象にできないことになる。写真を見るとわかるように、確かにほぼ直線道路でスピードも載りやすいとはいえ、昼間なのにこの交通量だ。状況的に見て、あまりにも取り締まり効率が悪すぎるのでは?

 とはいえ、最近はややあやふやになっているが、最高裁の判例から、違反者(車)を撮影しそれを違反の証拠とするには、それが犯罪行為(非反則行為)であることが必要条件であるという原則は変わっていない。それでも現在、各地で可搬式オービスによる取り締まりにおいて、反則行為でも後日呼び出しによる検挙をしているのは「警察官が違反を現認している」、というロジックを働かせているからだ。が、ここは現認係がいない以上、そのロジックは通用しない。それでも反則行為でも検挙するとしたら、これはまさに速度違反取り締まりにおける、歴史的な常識破りとなる。まさか、違反が発生した時点では、道路交通法上、すべてが犯罪である(事後に反則金制度を受け入れた場合のみ非犯罪となる)という大前提を振り回すとでもいうのだろうか。




 とにかく、半可搬式とはいえ、移動オービスである以上、交通の状況に合わせて、設置場所を変えるのだろう。言ってみれば、今まで決して移動することがなかった固定式オービスがあちこちに出没するようなもの。さらに、反則行為でも撮影され、後日、呼び出しをくらうとしたら、ドライバーにとってはたまったもんじゃない。しかも、今回のように事前予告がされるのらまだしも、可搬式取り締りの常道となりつつある「予告なし」が常識となったら、まさにお手上げです。 




PHOTO:槇村太郎

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情報提供元: MotorFan
記事名:「 大発見!! レーダー探知機の効かない、「無人移動オービス」! 赤切符限定の固定式無人速度取締機と同じ運用なのか、それとも!? 【交通取締情報】