今年も本当にオリジナリティあふれる演出だった。
トラックを見ていて面白く、踊りだすマネキンの演出に魅了され・・・。
日野自動車デザイン部想像デザイン室の花沢主管に、ブースコンセプトなどのお話しをオーとサロンの会場で伺うことができたのでご紹介したい。
花沢主管によると、そもそも、プロフィアやレンジャーといった大型トラックには、安全のための機能や装備が満載されている一方で、そうしたものが一般の皆さんにはどうにも伝わらないと考えていたそうだ。
そうした機能を『INFORMATION DESIGNE(見える化)』という手法を用いて表現することで、トラックが「大きくてアブナイ!」といったり、「運転しづらそう」といったネガティブな印象が払拭したいと考えたという。
どうすればそれが可能となるだろいうということを模索するなかで、「アニメの手法を取り入れてはどうだろう」ということになり、クリエーターの小林誠氏にコンセプトを伝え、トラックの車両デカールデザインを依頼した。
小林誠氏は、イラストレーター・メカデザイナー・漫画家・モデラ―として活躍。『ヤマト復活篇』『ヤマト2199』『ヤマト2202』『機動戦士ガンダムΖΖ』『ジャイアントロボ・ザ・アニメーション』『ドラゴンズヘブン』『サムライ7』『ブレイブストーリー』『ラストエグザイル』といった作品を手掛けてきたクリエーターである。
日野自動車として表現したかったのは、トラックの持つ『ダイナミックエナジー』。
出展されたレンジャーとプロフィアには、オレンジと黒と白を利用した、エネルギーをまとっているような未来的なカラーリングが描かれた。
そして、よくチェックしたいのがディテールに描かれた文字や罫線。
飛行機の機体には、『NO STEP』といったような操作のガイド表示がカッコよく書かれている。そうした表示をオマージュし、トラックに装備されているプリクラッシュセーフティセンサーや、ドライバーが洗車などのために使うためのステップの格納部分などに表示されている。これがまたカッコいいのである。
タイヤのサイドウォールがオレンジ色に彩られてているが、これはデカールで制作したという。
内装も同様に、「エネルギーに満ちた血流が駆け抜けるイメージ」が、オレンジのストライプで表現されている。
「新しい試みです。ぜひ、『HINOのトラックに乗ってみたい』と思っていただきたいですし、日本のドライバー不足が解消されるようなことに貢献できたら嬉しいですね」と日野の花澤さん。
そんなトラックの未来感をさらに増幅させたのが「マネキンが踊りだす」演出だ。
普段は本物のマネキンがケースのなかに鎮座しているのだが、ある時間になるとそのマネキンが本物のダンサーに入れ替わり、テクノミュージックに合わせて妖艶に踊りだす。
まるでブレードランナーのレプリカントを思わせる怪しさと未来感!
強い主張とセンスの高さが際立つ日野ブース。
2月9日から始まる大阪オートメッセでもぜひ楽しみにしたいと思う。