そんな感慨に耽りながら写真を眺めていたら、とても丸みを帯びたルーフと鋭く切り飛ばしたようなクオータウィンドウの対比に目がいった。なんかコレ、どこかで見た記憶がある組み合わせだなと思い出してみたところ、トヨタ2000GTだったことに気がついた。そうしたらカースタイリング編集長の記事や、豊田章男社長のプレゼンテーションなどでも、2000GTとの関連性をうかがわせるような記述やスピーチがあり、やはりと思った次第である。
ともに直列6気筒のFWD、2座のクーペというところが共通項。これだけ?と思うのもよし、しかし2019年現在に(BMWという強力なパートナーに恵まれたからこそ、ではあるが)直6をわざわざというところに、われわれクルマ好きはシンパシーを覚えるのだ。
2000GTのキャビンってとんでもなく後ろにあるな、スープラは思ったよりコンパクトなイメージだな、FT-1って大きかったんだなと、こうして比べてみるとわかる。せっかくだから同一スケールにして並べてみよう。
基準は前軸。FT-1が少々上から眺めている画像なのは残念だが、相対的なサイズの違いはおわかりいただけるだろう。
3車を並べると、スープラのコンパクトさが際立つ。2000GTとスープラのヒップポイントは画像で見る限りほぼ同じ位置で、それに対するFT-1のリヤアクスルはずいぶん後方にあったんだと気付く。また、2000GTのフロントウィンドウ下端がずいぶんうしろにあること、だけど上端はさほど後方でもなく、つまりウィンドウが案外立っているデザインだったのだ。加えて、強烈なラウンド形状にも驚きである。
それにしてもスープラ、コンパクトだな……86とどれくらい違うんだろう……。そう不安になって(?)こちらも調べてみた。
またもや前軸基準で。なんだ、あまり変わらんじゃないか。ホイールベースなんてこっちのほうが長いのか。そんなことにあらためて気がついた。
2台のプロポーションは似通っているものの、キャビンと後軸の位置の違いが興味深い。そしてこれまた、クオータウィンドウの形状も似ている。このときは2000GTのことは思い浮かばなかったな……。
ハイパワーパワートレインにショートホイールベース、そしてFWD。果たしてどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、試乗がとても楽しみである。