では、そのなかでどれが最強マシンなのか? どれが最も「ナマで見られるのはありがたい」のか? さまざまな見方があるだろうけれど、「手にした栄冠の価値と回数、そして実際の速さ」を統括して考えれば、マルク・マルケスが2018年のMotoGPを制したチャンピオンマシン「ホンダRC213V」が最強最速のひとつの答えであることに異論はないだろう。
計器モニターはフル液晶。ハンドルまわりは燃調マッピングの切り替えやピットロードのリミッターなどのスイッチだらけ。グリップエンドに備わるステーのようなものは、接近戦でほかのライダーのハンドルや手がレバーに干渉することを防ぐガードだ。オーリンズ製のサブタンク付き倒立フロントフォーク。ブレーキディスクはカーボンで、キャリパーはブレンボ製をラジアルマウントする。リヤブレーキは制動をほとんど担わず、姿勢コントロールに使われるため、ごらんのようにディスク径は極小。高負荷に耐えるごっついアルミニウム製スイングアームがカッコイイ。インナーフェンダーはカーボンだ。V型4気筒エンジンは後ろ側バンクの排気の取り回しが難しいため、エキゾーストはリヤセンターと右サイドの2本出し。ホンダワークスはしばらくテルミニョーニ製のエキゾーストを採用していたが、2017年からSCプロジェクト製に変更されている。 世界選手権のチャンピオンマシンの割には、かなり控えめな展示といった印象で、気づかないで通り過ぎてしまう可能性も大。4輪が主役のイベントだからしかたがないが、せっかくだからホンダブースを訪れるときには意識しておいてほしい。めったに拝めるものではないのだから。