トヨタ自動車の豊田章男社長は、以下のようなコメントを発表した。
本年のアフリカ大陸走破においても、メンバーが、安全に健康に戻ってくることができ、安心しました。走破から戻った皆さん、お疲れ様でした。無事に戻ってきてくれて、ありがとう。
この5大陸走破プロジェクトは、「もっといいクルマをつくるトヨタになりたい。そのためには、もっと、世界の道を知る必要がある…」という想いで2014年からスタートしました。
当初は、技術部門が中心となるメンバーでスタートした活動でしたが、5年間、走り続ける中で、営業、調達、人事、経理といった様々な部署も参加するようになり、若手社員の参加者も増えてまいりました。現地の事業体からの参加者も増え、「もっといいクルマづくり」に真剣に向き合う輪が、部署、役職、役割、そして国籍など、あらゆる垣根を越えて広がったと実感しています。
私自身も、このプロジェクトの一環として、それぞれの大陸の道を走ってきました。今年は、トヨタ車体(株)のダカールラリー参加チーム「チームランドクルーザー」の走行テストに参画させていただき、モロッコにおいて、初めて砂漠を走る経験をさせていただきました。
砂漠の真ん中では、何度もスタックし、前にも後ろにも進まず、アクセルを踏めば、更にランドクルーザーは砂の中に沈んでいく、という経験もしました。チームメンバーに救出してもらい、再び走り出すことが出来ましたが、その時、強く感じたことは「クルマは、命を運ぶものだ」ということです。
「ここで止まったら、ここで壊れたら、命が失われてしまうこともある…」走破から戻ってきたメンバー達も、アフリカの地で様々な道を走り、同じようにクルマの大切さを感じたと報告してくれました。
どこの部署で、どんな役割であろうと、トヨタで働くことのミッションは、もっといいクルマをつくることです。
社長であっても、新入社員であっても、技術職であっても、技能職であっても、事務職であっても、そこに垣根はなく、ミッションに変わりはありません。
今まで、普通にやってきた各々の業務を、これからはアフリカの道での経験を想像しながら、ひとつひとつやってみる…そうすることで、ひとつひとつの仕事が、本当にお客様に笑顔になって頂けるもっといいクルマづくりのための、プロの仕事に近づいていけると思います。
そして、走破経験をした人の仕事が変わっていけば、その周りも少しずつ変わっていきます。地道かもしれませんが、そうしてもっといいクルマをつくるトヨタに進化していけると信じています。メンバーの皆さん、よろしくお願いします。期待しています。
今回は、私どもトヨタ自動車だけではなく、スズキ、日野自動車、トヨタ車体のメンバーとも一緒に走りました。
「お客様に笑顔になっていただける“もっといいクルマ”をつくる。そして、モビリティの未来を創っていく」その想いを共有する仲間の皆さまです。もちろん、そこにも垣根はありません。
一緒に、道の厳しさを知り、お客様の声を聞いてきました。この経験が、未来に繋がります。共に、もっといいクルマづくりを進めていきましょう。そして、一人でも多くのお客様に笑顔になっていただける未来を目指しましょう。
同プロジェクトは、2019年春、中東をスタートとしたアジア大陸走破を実施予定、ついに最後の大陸への挑戦となる。また、アフリカ大陸走破のレポートは以下TOYOTA GAZOO Racing公式ウェブサイト及び動画サイトに掲載中だ。