地域によって異なっていたモデル名をグローバルに統一する動きは、最近の自動車メーカーのブランディング戦略の常套手段だ。トヨタもヴィッツの名称を次期モデルから世界統一モデル名として「ヤリス」に切り替える。
こうした動きを考えると、マツダの他のモデルはどうなるだろうか?
マツダのフラッグシップセダン/ワゴンであるアテンザ(Atenza)のグローバルでの名称は、マツダ6。こちらも、次期型登場(2020年?)の際に、「マツダ6」と名乗ることになるだろう。
次期アテンザは、FR化(+直6ディーゼル搭載)の噂がある注目モデル。FR化してより上級シフトするタイミングでアテンザの名をMazda6に変えるのは自然な流れだろう。
次期アテンザ? RX7? マツダが開発中という噂の「FR」モデル。トランスミッションはどうなる?
エントリーモデルであるデミオのグローバルでのモデル名は「Mazda2」である。デミオも、2020年にはフルモデルチェンジを受けるはず。そのタイミングでマツダ2になるわけだ。
その他のモデル、つまりSUVのCX系は、もともとグローバルでモデル名が統一されているから、問題なし。
問題は、マツダが世界に誇る「マツダ・ロードスター」である。
ご存知の通り、日本では、マツダの他チャンネル時代の「ユーノス」ブランドの「ユーノス・ロードスター」としてデビューして大ヒットを記録している。年配の方で、未だに「ああ、ロードスターってユーノスのことね」という方もいるくらい浸透したモデル名だった。
その後も、国内では「マツダ・ロードスター」を名乗っている。
一方、グローバルでは「Mazda MX-5」を名乗っている。以前は北米は「MX-5 Miata」と呼ばれていた。このミアータの名称も北米では根強く、これまた、いまだに「Miata」を呼ばれることが多いという。
では、国内ではどうなるか?
おそらく、ここは「ロードスター」の名前のままでいくと推測する。一般名詞にして、ここまで固有名詞としてのモデル名に定着している例は他にはない。これはブランドイメージ的にも大きな財産である。
「ロードスターといえば、マツダ」と結びつく意味は大きい。したがって、マツダ・ロードスターだけは、日本では「ロードスター」と呼ばれる続けると予想する。