このクルマはニュートラルステアから切り込んでいくと、極端に言うとオーバーになる。切り込んでいくステアリングのスピードによってはアンダーになるんだけど、その先はクルマがコマのように回りこむ。これは完全にデフの効果です。
さらにアクセル踏み込んでトラクションかけるとドリフトモードに入るものなりますが、VSCのトラクションモードを使うと非常に上手に電子制御してくれる。アクセルの踏み方を緩くすると、逆にトラクションに変えることができる。
デフによる効果としての直進安定性もしっかりしています。直進時にステアリングを左右に振ると、すごくデフが効いているのがわかります。
直進安定性にも働くし、コーナーリング中にアンダー出さないように、リアを回りこむようにコントロールしている、というようなことをいろいろやってますね。
基本的な方向性としてはニュートラルステアで、オーバーステアの傾向を持っているものの、フロントがシビアすぎない。今までにないスポーツカーだなと感じました。
エンジンパワーについては、低速からトルクがあるので、どこかの回転数から盛り上がるというタイプのエンジンではありません。気がついたらスピードが出ている感じ。すごいパワーがあるという感じではないですね。ここ袖ヶ浦のストレートエンドで180km/hだったので、だいたいポルシェ997GT3と同様の感覚ですね。中低速域では山はあるので、それは扱いやすいかな。ただ、6500rpmでリミッターに当たってしまうので、希望としては7000rpmくらいまでは回して欲しいな。贅沢言えば7500rpm。
足回りでいうと、フロントサスペンションがストラット、リアがダブルウィッシュボーンなので、フロントのストロークのバンプ側をストッピングラバーで押さえているから、ロール感を感じるのはイン側の伸び上がり。リバンプのストロークがあるからきちんとできているけど、もうちょっとフロントのバンプが使えてもいいのかな。
いじるという意味では、まだやれることはあるような気がしますね。空力にしても、多田さんはアフターでやってくださいと言っているし、サスペンションももうちょい何かしらやってもいいかなと思いますね。