天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会は2018年11月20日(火)、総理大臣官邸で第2回「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会」を開催。「祝賀御列の儀における天皇皇后両陛下のお車」についての考え方が示された。

「祝賀御列の儀」のお車はオープンカーに決定

 新天皇の即位を披露する2019年秋のパレード「祝賀御列の儀」に、政府が国産オープンカーを使う方針を固めたことが発表された。




「祝賀御列の儀」は、即位礼正殿の儀終了後、広く国民に新天皇皇后両陛下の御即位を披露し、祝福を受けられるために行われるもの。




 お車について検討する際、以下の3案が提示された。


   第1案=平成度の御料車を整備


   第2案=新車を購入


   第3案=現在の御料車を使用




 第1案の「平成度の御料車」は、今上天皇の「祝賀御列の儀」と皇太子ご夫妻の成婚パレードで使用された「英ロールスロイス社コーニッシュIII」。2007年3月に廃車されている。当初は、修理はほぼ無理ということで、検討車両には上がっていなかった。




 第3案の「現在の御料車」は、トヨタ社センチュリーロイヤル。2代目センチュリーをベースに、宮内庁に納入するために開発された専用車種。導入後40年近くが経過し、車両本体の老朽化など維持が限界となった「ニッサンプリンスロイヤル」の後継車として、2006年7月から調達されている。

オープンカーとクローズドカーのどちらを選ぶか

1990年11月12日(月)、平成度における「祝賀御列の儀」の模様。お車は「ロールスロイス・コーニッシュIII」。首相官邸資料より

「祝賀御列の儀」における天皇皇后両陛下のお車について、オープンカー、クローズドカー、どちらにするかについては……。




“国民への披露”という側面では、沿道からも中継映像上からもお姿を拝見しやすいという点でオープンカーに分がある。だが、セキュリティ面や荒天時の対応面ではクローズドカーに軍配は上がる。




 オープンカー、またはクローズドカー、第1〜3案などの検討結果、第2案の「(オープンカーの)新車を購入」の方針で固められた。


 


 新車に求められる要件は、以下の通り。


(1) 国内で入手可能


(2) 車列を組む他の車両より車格が高く、サイズが大きい


(3) 後部座席に一定の広さを確保可能


(4) 安全性能(衝突安全、自動ブレーキ等)が高い


(5) 環境性能(燃費、排出ガス浄化性能等)が高い

やはりセンチュリーが大本命か

 新型車に求められる5条件を満たす車両といえば、やはり「センチュリー」となるだろう。三代目新型センチュリーは、国内最高級のショーファーとして21年ぶりにフルモデルチェンジしている。


 


 二代目センチュリーが登場した1997年当時は、国内ショーファーはセンチュリーとクラウンで分け合っていた。だがそのポジションは、いまではレクサスLSとトヨタ・アルファード/ヴェルファイアに取って代わられている。




 レクサスLSとアルファード/ヴェルファイアは、世間の風としてショーファー感をただよさせているが、基本はオーナーカー。ショーファーカーに特化しているセンチュリーがやはり大本命となるだろう。




 ところで、「ロールスロイス・コーニッシュIII」は、2回しか使用されず廃車となった。その反省から、今回の御料車は2020年に開催される「東京オリンピック・パラリンピック」などでも活用するとのこと。




 どのような活用方法を考えているのかいまのところ不明だが、それを考えると、クラウンもありなのかなと推察してしまう。さぁ、果たして……。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 「祝賀御列(おんれつ)の儀」に向け、政府は国産車購入の方針。トヨタ製が有力視される