Grabと現代自、起亜自はまず、2019年のシンガポールを皮切りに東南アジアで一連のEVパイロットプロジェクトを開始する。同プロジェクトでは、Grabのパートナー運転手のコスト効率を最適化すべく、EVの活用に重点的に取り組む。EVパートナーシップではこのほか、同地域でのクイック充電スタンド網の構築などのEVインフラ改善のため、地元政府やインフラ企業などの地域の利害関係者と協力する。また、GrabのEV運転手向けにカスタマイズ可能な修理パッケージの開発を進め、東南アジアの暑く湿気の多い環境で最も効率的にEVを展開できる方法を検証する。
Grabのミン・マー社長は、「当社はシンガポール最大のEV保有企業として、東南アジア各地でEV導入を促進させるため、現代自動車グループと提携することを楽しみにしております。私たちはお互いに、モビリティーの電化が持続可能で環境にやさしく、低コストの交通プラットフォームの構築にとって重要な基盤の一つだという共通のビジョンを持っています」と述べている。
3社はモビリティー・サービス・プラットフォーム向けにEVをカスタマイズし、最適化する方法について検証する。
Grabと現代自とのこれまでの戦略的提携に続く今回の出資により、Grabの現資金調達ラウンドの合計額が27億ドルになる。Grabは2018年末までに30億ドル以上を集める計画に向けて、予定通り進んでいる。Grabの現資金調達ラウンドの投資企業には、ブッキング・ホールディングスやマイクロソフト、トヨタ自動車、オッペンハイマーファンズ、ゴールドマン・サックス・インベストメント・パートナーズ、シティ・ベンチャーズなどの世界の大手企業や大手金融機関が名を連ねている。
現代自は1月、Grabに最初の出資を行い、両社はEV分野での協業を開始した。現代自動車グループとの協業を起亜自にまで広げるGrabの今回の取り組みは、東南アジアでのEVの利用を推進する継続的な取り組みにおいて、大きな節目となる。Grabは8月、電気やガスの供給を手掛けるシンガポール政府系企業SPグループのEV充電スタンド網をGrabのEVに使用するため、同社との提携を発表した。
現代自と起亜自は将来のモビリティー市場での足場を固め、イノベーションを促進するという強い決意をもって、将来性のあるスタートアップ企業に対し、多額の戦略的投資を行っている。自動運転や人工知能などのテクノロジーから、配車サービスに至るまで現代自動車グループは、革新的なモビリティーサービスの開発を通じて、日々の生活向上に貢献する業界専門家らのネットワークを作り上げている。同グループはクリーンモビリティーのリーダーになるという目標に従い、2020年までに、環境に配慮したモデルを現在の2倍以上の38台にする計画も持っている。
Grabは東南アジアで最も多く使用されているモバイルO2Oプラットフォームの一つであり、消費者にとって最も重要な日々使用するサービスを提供している。Grabのアプリは今や、1億2,500万台以上のモバイルデバイスでダウンロードされており、ユーザーは800万以上の運転手や企業などのサービスを利用できる。Grabは同地域の陸上交通において最も多くの車両を保有しており、2012年の創業以来、ユーザーの合計乗車数は25億回以上に上る。Grabは8カ国235都市で食料品や荷物の配達サービスを提供するほか、同地域で最も幅広い種類のオンデマンド交通サービスを提供している。