テネレとはニジェールからチャドにおよぶ広大な砂漠の名称で、これまでもヤマハの本格的エンデューロモデルに冠されてきた歴史がある。
エンジンはMT-07およびトレーサー700(日本未導入)と共通の並列2気筒689ccエンジンで、不等間隔燃焼による力強い鼓動感が魅力の270度クランクを持つ。ただし、スーパーネイキッドのMT-07と、それをベースにアドベンチャーモデルとしたトレーサー700がダイヤモンドフレームを持つのに対し、テネレ700はダブルクレードルフレームを採用する。
ホイールはフロントが21インチ、リヤが18インチで、こうした点からもテネレ700がより本格的オフローダーとしての資質を備えていることをがうかがえる。
そして何より、「T7コンセプト」そのままの前衛的なスタイルも大きな魅力だ。4つのLEDが睨みを効かせるヘッドランプや縦型の液晶メーターなど、とにかく前衛的で意欲的なデザインだ。
オンロード性能を優先させたアドベンチャーモデルが多い中、しっかりオフロードに軸足を置いたテネレ700。直接のライバルはホンダCRF1000Lアフリカツインになるだろうが、689ccという排気量がもたらす軽さは、とくにオフロードでは大きなアドバンテージとなるだろう(車両重量は今のところ未公表)。
そして本格オフローダーながらどこか都会的で洗練されたデザインは、新たな顧客層を獲得する可能性も高い。日本での発売にも期待したい一台だ。