1977年に初代モデルが登場し、11年にデビューした現行型は通算で3代目となる。高級感漂う内外装の仕立てもさることながら、約50:50の前後重量配分や前後輪統合制御ステアリング・システム、シルクのような滑らかなフィールの直6ターボ、4.6秒で100km/hに到達できるV8ターボなど、やはり同車の特徴は走りに尽きる。2ドアクーペのほかにも、カブリオレや4ドア版のグランクーペもラインナップ。さらに、560ps/69.3kgmを誇るV8ツインターボを搭載し、3.9秒で100km/hまで加速する怒涛のパフォーマンスが魅力の「M6クーペ」も用意する。
まずは、全体のサイズ比較から。
レクサスLC500h "Lパッケージ" 全長×全幅×全高:4770×1920×1345mm ホイールベース:2870mm ミラーtoミラー:2170mm
前輪をなるべく前方に配置してフロントオーバーハングを短縮。フロントミッドシップらしい旋回性能の高さを、見た目からも印象づける。リヤピラーの鋭い造形は日本刀がモチーフ。一般的な機械式立体駐車場は全幅の上限が1850mmであることが多く、非対応と言わざるを得ない。レクサスLC500h "Lパッケージ"
全長×全幅×全高:4770×1920×1345mm
ホイールベース:2870mm
車重:2020kg
エンジン:V型6気筒DOHC
最高出力:299ps(220kW)/6600rpm
最大トルク:356Nm(36.3kgm)/5100rpm
トランスミッション:電気式無段階変速機
駆動方式:FR
最小回転半径:5.4m
JC08モード燃費:15.8km/ℓ
車両本体価格:1350万円
BMW 640iクーペMスポーツ全長×全幅×全高:4895×1895×1370mm ホイールベース:2855mm ミラーtoミラー:2095mm
斬新なLCのスタイリングと見比べると、コンベンショナルとも表現したくなるようなクーペフォルム。だが、前後重量配分の追求には一日の長があり、エンジンを極力後方に搭載して重量バランスを最適化している。リヤオーバーハングが大きく、実用的な荷室を備えるのも特徴。BMW 640iクーペMスポーツ
全長×全幅×全高:4895×1895×1370mm
ホイールベース:2855mm
車重:1800kg
エンジン:直列6気筒DOHCターボ
最高出力:320ps(235kW)/5800rpm
最大トルク:450Nm(45.9kgm)/1300-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:FR
最小回転半径:5.3m
JC08モード燃費:12.2km/ℓ
車両本体価格:1157万円
ラゲッジスペース比較の前に、インパネと前席・後席も比べてみよう。
レクサスLC500h "Lパッケージ" 室内長×室内幅×室内高:1870×1550×1080mm
最新テクノロジーに包まれる高揚感と、レクサスならではの癒しを堪能できるパーソナル空間。写真の内装色は"Lパッケージ"にのみオプション設定されるブリージーブルーで、3トーンの配色が鮮やかだ。メーターは8インチカラーTFT液晶を採用。身長173cmの筆者が後席に腰掛けると頭はリヤウインドウに当たる。大人が常用するには向かないスペースと言えるだろう。 | 前席シート高:450〜500mm ”Lパッケージ”は前席にセミアニリン本革、後席にL texという本革に近い風合いの合成皮革表皮を採用。いずれもしっとりとした手触りで、身体が包み込まれるようなホールド間も秀逸だ。他のグレードには肩まわりのサイドサポートも大きいスポーツシートが採用される。 |
BMW 640iクーペMスポーツ
ドライバーを最優先に考えたスポーティなコックピット。派手な演出のない実直な印象はLCと好対照だ。10.2インチ高解像度モニターなどインターフェースの使い勝手も洗練されている。伝統的な二眼メーターの中央にマルチディスプレイを備える。後席のニークリアランスは約60mmと必要十分だが、頭頂部は天井に触れる。快適とまでは言えないが、短距離の移動には対応できるスペースが確保されている。 | 前席シート高:470〜510mm パリッとした硬めの座り心地が特徴のダコタレザーシートを採用。「Mスポーツ」にはサイドサポートの大きいスポーツシートが装備される。前席シートヒーターは全車に、電動ランバーサポートは一部を除いて標準装備。 |
レクサスLC500h "Lパッケージ"
奥行き:680mm 最小幅:820mmフロア手前側の最大幅は1380mmほどで、ゴルフバッグもひとつ収納可能。ただし、間口が狭く、開口部の高さも約860mmと高いため、重たいスーツケースの積み降ろしなどは、ちょっとした力仕事となりそうだ。
BMW 640iクーペMスポーツ
奥行き:990mm 最小幅:850mm最小幅は狭いが、奥行きは広いため、スーツケースのような大型の荷物も積載可能。段差で隔てられているものの、最も広い部分の幅は約1370mmと広い。グランクーペの場合は6対4分割可倒式のリヤシートを装備する。