かといって、乗り心地を犠牲にしてまでもハードなレートのスプリングに交換してロール量を減らしていくのは、スポーツワゴンといえどレヴォーグのキャラクターには合っていないだろう。
そこで、レヴォーグにて強化スタビライザーのテストを行った。
コの字型のバーを左右のサスペンションと連結することで、抵抗を生み出してロールを抑えるのがスタビライザーの役割。ロールで左右のサスペンションストロークの差が生じた時に、バーが捻じれてその復元力により、左右のストローク量を同一方向に是正する。ノーマルからバーの径をアップさせた強化品の効果とは?
直進状態ではテンションが掛からないため機能しないが、旋回時は反力が働くためロールを抑制できる。スプリングレートを高めると乗り心地の悪化を招きがちだが、スタビ強化ならその心配は不要。
しかし、メリットばかりではなく、逆にスタビを硬くしすぎると曲がりにくくなるデメリットも。実際はどうなのか?
さて、交換後の走りでは、明らかにロールが減っている。ベストタイムは50秒782。車高や減衰力調整は変えていないのに0.7秒もの差が出た!
「このクルマと足まわりならスタビを強化したほうがいい。ハンドル操作に対して忠実にクルマが曲がる。とくに違いを感じたのはS字の切り返しや、ヘアピンの立ち上がり。純正スタビだとアクセルもブレーキも入れられない空走時間が長いうえにアンダーステアが出たが、強化スタビでロールが抑えられて、車体が安定するようになった。荷重を分散せずに4輪を使えるから、よく曲がる」(佐々木雅弘選手)