スマートメータは、データ収集の頻度を高め、電力需給に応じた細かい制御を行うため、より安定した通信性能が求められている。「HD-PLC」技術は、これらの要求を満たすことができ、今後、世界中で導入が進むスマートメータやスマートシティ構想におけるIoT通信のインフラ整備に貢献することが期待される。
<実証実験の概要>
台湾電力での実証試験の概要は以下の通り。
・各々のスマートメータから電力会社のデータ収集センターまでの通信性能を評価するため、15分間隔でデータ収集率99%の性能が必要
・スマートメータの設置条件は、戸建て住宅の軒先に設置されるパターンや、商業ビルやマンションなどの地下室に全戸のメータが設置されるパターンなど様々な状況下での評価を実施
「HD-PLC」技術は、国際標準規格IEEE1901(※2)に準拠しており、また、中継機能であるマルチホップ技術はITU-TG.9905に対応しているため、長距離で数メガbpsの通信を行うことが可能。実証試験では、道路に設置された中高圧の変圧器からビル地下のメータまで電力線で通信できることを確認し、テスト期間で100%のデータ収集率を達成し合格の認定を得た。
パナソニックは、スマートIoT社会の実現に向け、今後も「HD-PLC」の技術進化とユーザーの利便性を追求していく。また、HD-PLCアライアンス(※3)などの団体を通じてIEEE1901シリーズの対応商品間の相互接続性の確保に努め、引き続きユーザーが安心して使用できる「HD-PLC」搭載商品をグローバルに提供していく。
※1「HD-PLC」:パナソニックが提唱する高速電力線通信方式の名称で、 日本及びその他の国での登録商標もしくは商標。 なお、 PLCはPower Line Communicationの略称。
※2 米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会
※3 高速電力線通信「HD-PLC」の普及拡大・通信互換性確保を目的として、 2007年9月25日に設立
ホームページ: http://www.hd-plc.org/