「本革・マルチ・サンルーフ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは昔からトヨタのセダンの「三種の神器」と謳われ続けているワードです。本革シート、マルチビジョン(純正ナビ)、サンルーフが付いているクルマは下取りも高く人気もあるので中古車相場も高いということを示しているのですが、これももちろんクラウンにも当てはまります。
アスリートでは、本革シートが標準の「アスリートG」と、オプション設定となる「アスリートS」があるのですが、その価格差が80万円以上するため流通のほとんどはアスリートSになっているのですが、それでも本革シート装着車は、無し車よりも20万円ほど高い相場になっています。
そして、現行22系の好調を裏付ける特徴的な動きがあります。中古車は車種を問わず、初年度の流通量がもっとも多くなるのが常で、年式を経るほどに流通量は減ってくるものですが、それが先代21系の場合、2015年式の車両の流通量だけが突出しているのです。これは、初回車検を迎えた先代21系が、現行22系へと乗り換えるにあたって下取り(買取り)を経て中古車市場に流出したことのあらわれです。
さすがは歴史と伝統のクラウン。「車検が来たから」のルーティンをしっかり守って乗り換えてくれる優良なロイヤルカスタマーを抱えていることの証明ですね。また、リース契約によるフリート(法人)ユーザーの多いことの証明でもあります。
ちなみに、現行22系クラウンの販売について重きが置かれているのは、3.5L・V6と2.5ℓ直4のふたつのハイブリッドを揃えていることからもハイブリッド8割:ターボ2割、という比率だといわれています。2Lターボについては、先代21系ではアスリートしか選べませんでしたが現行22系ではロイヤル後継の「G」も選べるようになったにもかかわらず、目標はあくまで控えめに設定されているようです。
グレード別の販売目標は旧「アスリート」の後継である「RS」系が4割強、「G」系グレードが約2割の構成比となっているようですから、将来の中古車流通に関しても、おおむねこの比率で推移することでしょう。先代までのアスリートとロイヤルのように、両グレードのスタイリングに大きく差異がなくなった現行22系ですが、これまでどおりRS(アスリート)優位で相場が構築されていくのかにも注目です。
(写真はイメージ)