とはいうものの、時折見かける昔のあのクルマを見て「こんなに小さかったっけ?」というのはもはやお約束。全長もさることながら、とくに細さと低さが印象的である。
というわけで、歴史のあるクルマの現行世代と、そのクルマのひとクラス上のクルマの初代と比べてみる。同じクルマの現行/初代で比べれば大きくなっているのは当たり前。果たしてどのくらいの寸法差が現れているだろうか──。
全長4995 × 全幅1820 × 全高1400 × 軸距2815mm セルシオ(初代)
全長4910 × 全幅1800 × 全高1455 × 軸距2920mm クラウン(現行15代目)
世界がひれ伏した初代セルシオ。静粛性という、かつてない価値観で世界の度肝を抜き、ジャーマン3をはじめとした高級車は路線変更を余儀なくされた。
寸法で比べてみると、かろうじてクラウンが小さい。けどもはや同じサイズといっても差し支えない。クラウンが全幅1800mmを守っているのはさすが。そしてホイールベースはクラウンのほうが長い。
全長4545 × 全幅1690 × 全高1395 × 軸距2580mm レガシィ(初代)
全長4690 × 全幅1780 × 全高1495 × 軸距2650mm レヴォーグ
バンではなくワゴン。そして快速。このコンセプトが受けに受け、レガシィは富士重工業(現スバル)の窮地を救うヒット作となった。フォロワーも次々と現れ、一大ワゴンブームを引き起こす。
インプレッサのワゴンとも言えるボディスタイルで登場したレヴォーグ。すでに初代レガシィよりひとまわり大きな躯体である。もちろん、現行レガシィはさらに大きい。
全長4740 × 全幅1740 × 全高1445 × 軸距2800mm Eクラス(初代)
全長4686 × 全幅1810 × 全高1445 × 軸距2920mm Cクラス
いまなお名車として語り継がれる初代Eクラス。一回り小さな『190』と瓜二つのボディスタイルをまとって新型ミディアムクラスとして登場、「ベンツと言えばコレ」という方も多いはず。
それに対して現行Cクラスは、全長が短く全幅が広い。ホイールベースも一回り長い印象だ。
全長4620 × 全幅1690 × 全高1425 × 軸距2636mm 5シリーズ(初代)
全長4624 × 全幅1800 × 全高1416 × 軸距2810mm 3シリーズ
『XX00』シリーズの跡を継いで登場した初代5シリーズ。当時の日本では、現在からは想像もつかないほど地味だった「ベーエムヴェー」だったが、初代6シリーズや初代3シリーズの登場あたりから知名度が高まってきて人気車種になっていった印象である。スラントノーズのデザインが、ため息をつかせるほど美しい。
現行3シリーズは、Dセグメントのライバル勢の間では比較的コンパクトなイメージがあるが、初代5erと比べるともはや同寸を通り越してよりワイドでローなフォルムであることがわかる。
全長4190 × 全幅1600 × 全高1360 × 軸距2470mm パサート(初代)
全長4266 × 全幅1800 × 全高1480 × 軸距2635mm ゴルフ(現行7代目)
初代パサートというクルマをご記憶の方は相当なマニアだろう。シロッコと同様に、ほとんど街中でも見かけなかった。初代ゴルフ/シロッコと同様にジョルジェット・ジウジアーロによるデザインをまとい、3車ともにハッチバックボディを備えていた。この初代はアウディ80との関係が深く、FWDながら縦置きエンジンという、パワートレインオタクにはたまらない機械構成。
そこから比べるとゴルフも大きくなった。パサートは非常に背の低いフォルムだったので、全幅の違いもありゴルフはよりどっしりとして見える。
全長3725 × 全幅1610 × 全高1410 × 軸距2400mm ゴルフ(初代)
全長4060 × 全幅1750 × 全高1450 × 軸距2550mm ポロ
ロングセラー/ベストヒットのTyp.1(ビートル)を刷新したい。しかし滅多なことでは後継として失速するのは火を見るより明らか。そこでフォルクスワーゲンのとった手段が、ジアコーサレイアウトによるFWDへの転換。小型化とパッケージングを両立させた。その後の華やかな歴史は皆さんご承知のとおり。
先般デビューを果たした新型ポロは、すでに初代ゴルフよりすべての寸法を上回っている。とくに日本のユーザーの間では、全幅1700mmを超えたことが話題に上っているようだ。